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マストドンは新時代の企業PR戦略ツールとして有効か

若者を中心に人気のSNSといえば、Instagramだ。かつては招待制のmixiが流行したが、UserはFacebookへ移行していったのを体感している。そして、簡単に写真をアップロードしたり、加工写真を作成したりできるInstagramが流行の鍵を握るようになった。その波を、マストドンは掴むことができるのだろうか。


企業のSNS戦略 : ツイッター編

引用元:PiXXart / Shutterstock.com

日本企業が積極的に活用しているツールとして頭に浮かんだのは、Twitterだ。厳密に言うとTwitterはSNSではないとTwitter社が宣言しているのだが、本記事ではSNSのひとつとして扱わせていただきたい。

Twitterのコンセプトとして掲げられている内の一つに、利用者同士に明確な関係性がない「緩い繋がり」がある。140字のテキストツイートの他、画像、GIF、位置情報、動画の配信、ハッシュタグの使用も活発で、リアルタイムのツイートから災害時やニュース等の伝達スピードはかなりのもので、緩くつながっているからこその連携プレーと言えるかもしれない。

ユーザーは中高生から30代前後を中心に、企業や団体、著名人のアカウントが多数存在する。Twitterでは影響力の強いアカウントについて、なりすまし防止のために公式アカウント認定を行っている。また、個人ユーザーが多いTwitterでは企業アカウントも比較的自由な雰囲気で運用されているケースが多いようだ。緩い繋がりというTwitterコンセプト通り、企業アカウントの担当者がフランクに一般消費者とリプライを交わすことや、企業アカウント同士での盛り上がりからコラボ企画が生じることもある。有名な企業アカウントを例に挙げると、株式会社タニタ(公式)や、SHARP シャープ株式会社、キングジムがある。

Twitterを、より効果的なPR戦略ツールとして活用するのであれば、フォロワー数を増やすこと、リツイートなどによる拡散範囲を広げることと、SNSの基本PR法をたどらねばならない。

開設間もなく、フォロワー獲得に自信がない場合、プロモツイートの使用により、誰でもPRチャンスを得ることができる。クーポン配布やPR動画、HPへのリンクを他のユーザーのタイムラインへ表示してくれるので、PRの方法として有効である。


企業のSNS戦略 : Facebook編


Facebookは基本的に本名登録する風潮があるため、比較的ユーザーの投稿内容や使用目的が落ち着いていると個人的な見解を持っている。InstagramやTwitterと連携した投稿を行うこともできるが、自由な風潮のTwitterは趣味に関する情報収集、発信ツールとして住み分けするユーザーも多い。そのせいか、よりプライベートな投稿やオフィシャルな投稿が目立つ。

企業アカウントの投稿も、比較的PRしていますと言った投稿趣旨を感じさせるものが多い。Twitterとは異なりある程度長文の投稿も可能で、Facebookページを設定することでプランに応じた広告ページの作成もできる。広告用記事と一般投稿記事の見極めがうまくこなせるようになれば、ターゲットユーザーのピンポイント獲得に有効的なSNSではないだろうか。

人気のFacebook企業ページ例として、無印良品や東京ディズニーランド、ANA.Japanなどが挙げられる。


企業のSNS戦略Instagram編

引用元: ArthurStock / Shutterstock.com

2017年4月下旬、Instagramは月間アクティブユーザーが7億人を突破したと発表した。

日本国内での中心ユーザー層は20代と言われ、次いで30代と10代が僅差である。人気モデルのローラや、お笑い芸人の渡辺直美などテレビや雑誌でも馴染み深い有名人も、こぞってアカウントを開設しているように、私生活や告知写真を頻繁に更新し話題を呼んでいる。

Instagramのビジネス転用の強みは、写真というシンプルだからこそ印象に残りやすい視覚戦略だろう。流行に敏感なユーザーの、自分もこの商品を投稿したいという自己顕示欲をそそる戦略だ。美味しそう、きれい、かっこいい、かわいいなど、単純なインパクトがPR戦略の意図通り購買意欲や拡散意欲を刺激するのだ。このようにInstagramは商品販売を主体とする企業に向いていると言えるため、アパレル、化粧品、食品やインテリアをはじめ、旅行業者なども、新規購買層開拓や興味付のため利用する価値はありそうだ。

Instagramの人気企業アカウントを紹介しておくと、Tasty Japanやkurashiru [クラシル]がある。


マストドンとは

次世代SNSとしてマストドンが今、注目を集めている。

マストドンは500字までのテキスト投稿が可能で、投稿の中でコンテンツワーニング機能を用いれば、本文や画像を折りたたむことができるため投稿欄が長くなる不快感もない。

ここまでは単なるTwitterとの比較で終わってしまうのだが、他のSNSとの大きな違いはインスタンスを選択するという点にある。インスタンスとはサーバーのことであり、大きく分けて3つ、mastodon.cloudとmstdn.jpとpawoo.netがある。

mstdn.jpは日本人の大学生エンジニアが運営しており、pawoo.netはイラスト投稿サイトpixivの運営元、ピクシブ株式会社が提供している。その他、ホリエドンなる堀江貴文氏が運営するインスタンスも登場し話題を呼んでいる。

このように複数のインスタンスが存在するため、ターゲット層の多いインスタンスへ登録しなければならない。


マストドンの実用例と改善課題

日産自動車はいち早くマストドンへ進出した企業である。Pawooの運営元pixivの参加は当然ながら、ニコニコ動画でおなじみのドワンゴ、日本放送も有名だ。

その他、インスタンスの立ち上げ企業としIT系企業が複数見受けられるが、現状の実用例としては、クリエイティブ、IT、エンタメ系が多い印象を受ける。主観的意見を述べれば、まだ多くの企業は動向を伺っている段階ではないだろうか。

マストドンを企業がPR戦略ツールとして活用しようとする場合、二つの課題がある。一つ目はインスタンスが複数あるため、どこでアカウントを運用するかをどう見極めるかという点だ。マストドンを各所に開設しそれぞれのアカウントを運営管理するのは手間がかかるため、PRすべきターゲットを明確にした上でインスタンスとの調和を図らねばならない。二つ目はローカルルールの未熟さだ。pawoo.netでは海外ユーザーと国内ユーザーの間で、アダルト表現の認識の相違によるトラブルが生じた。発展段階ゆえの脆弱性とも言えるが、ルールそのものが構築途中の不安定さが活用への一歩を踏み出せない理由にもなっている。実験的に運用することで、これから構築していけるというメリットとして捉えることもできる。個人的には、フリーランスのクリエイターのPRなどにうまく活用できれば良いと考えている。

SNSの企業PRは、ユーザー層と傾向を分析することで広告費の調整もしやすくなる。SNSのそれぞれの特性を理解し、企業の活性化に役立ててほしい。


<参考・参照元>
株式会社タニタ(公式)(@TANITAofficial)さん | Twitter
SHARP シャープ株式会社(@SHARP_JP)さん | Twitter
キングジム(@kingjim)さん | Twitter
無印良品 - ホーム | Facebook
東京ディズニーリゾート - ホーム | Facebook
ANA.Japan - ホーム | Facebook
kurashiru [クラシル]さん(@kurashiru) • Instagram写真と動画
Tasty Japanさん(@tastyjapan) • Instagram写真と動画
horiedon.com - Mastodon

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