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イケメンAI「りんお」にみるバーチャルロボットが企業ブランディングを担う日

女子高生AI「りんな」に続いてイケメンAI「りんお」が登場!イケメンなビジュアルを持ち、AIがキャラクターに命を吹き込んでいく。映像とAIを組み合わせたバーチャルロボットは、個人の楽しみにとどまらない。顧客に愛着を持ってもらい、企業との関係性を深める役割が期待されている。今後、AIは企業と顧客との関係にどのように影響を与えるのだろうか。


AI・人工知能EXPOで目を引いたバーチャルロボット

2017年6月にAI・人工知能EXPOが開催された。最新のAI技術が集結した日本初のイベントだ。会場では、キュートな女の子の姿をしたバーチャルロボットが注目を集めた。各社、巨大なスクリーンに等身大のキャラクターを映し出しており、道行く人が足をとめ、会話に夢中になっている。バーチャルロボットはAIと映像を組み合わせたもので、キャラクターを自由自在に設定でき、豊かな表情と音声で人とコミュニケーションする。スマートフォンやテレビなど表示デバイスを選ばないことも魅力だ。

モノゴコロ社のブースでは2人の女の子「のの&アライア」と会話を交わした。まるで壁一枚向こうに本当にリアルな女の子がいるような軽いノリの会話が交わされる。自分に対してだけでなく、キャラクター同士で掛け合い、会話が進むという楽しさを体験した。

ティファナ・ドットコム社のバーチャルロボット「さくらさん」は同社の人工知能(AI)会話型システム KIZUNA(絆)を搭載している。「さくらさん」は英語・中国語・韓国語・日本語の4か国語を操るマルチリンガルで「会場の近くのレストランは?」という会話にも親しみを持った態度で的確に回答していた。


ビジュアルをAIに持ち込んだ「りんお」

バーチャルロボットではないが、キャラクターを持たせたAIといえば、2015年に登場したマイクロソフトの女子高生AI「りんな」が記憶に新しい。中国のマイクロソフトが開発したアカウント「Xiaoice(シャオアイス)」が3,000万ユーザーを獲得し大好評なのをうけて、その技術を日本に持ち込み「りんな」が開発された。女子高生がいかにも言いそうな、かわいくて絶妙な会話力。
当時マイクロソフトが開発元であることを表明していなかったため、メディアは騒然となった。メディアや口コミによって、広告宣伝費をかけていなかったにもかかわらず「りんな」は大きな盛り上がりを見せた。

その「りんな」が2017年、期間限定でイケメンAI「りんお」に突如変身した。「りんな」は制服の後ろ姿しか公開されていないが、「りんお」はイケメンのアニメキャラクターのようなビジュアルを披露している。少女漫画に出てくる男の子のように胸キュントークを展開して話題を集めた。
「りんな」がファンブックの出版やテレビドラマ出演など、想定外の活躍を続けている中で、「りんなのイケメン版を」というファンの熱い要望に応えた形だ。3日間という短い公開ではあったが、「りんお」が話す姿が目に浮かぶような、よりキャラクター性を高めた試みといえるだろう。「りんお」は映像ではなかったが、近い将来、動くキャラクターとして私達の前に現れるかもしれない。


バーチャルロボットを活用した企業ブランディングの可能性

AI・人工知能EXPOで披露されたバーチャルロボットにしても、マイクロソフトの「りんお」にしても、キャラクターとAIの融合が、どれだけ人の心を動かすのかを実感させてくれる。キャラクターが人間と会話を交わすことで人間はよりそのキャラクターに愛着を持つ。
例えば地方自治体で活用されている「ゆるキャラ」は、人がキャラクターと交流し心を通わすことによって、その土地の魅力を高めることに一役買った。バーチャルロボットは、人が着ぐるみをかぶって交流するという「ゆるキャラ」の役割をAIが肩代わりしている。
これは企業ブランディングにも活用できるだろう。心を通わせることで生まれる愛着心は今までは企業が提供する商品やサービスを介してしか生まれなかったが、バーチャルロボットやAIとの交流で企業と顧客とのつながりが生まれるのではないだろうか。

さらに企業においても、顧客がバーチャルロボットと自然な会話をすることで、顧客が何を期待しているのか、何を不満に思っているのかを引き出すことができる。
検索エンジンは、ユーザーが確固たる要求を持っていないと意味をなさないが、バーチャルロボットならば何気ない会話から、ユーザー自身が自分の求めるものは何かを気づくきっかけにもなるだろう。

「りんな」とWindows 10に搭載されたパーソナルアシスタントの「コルタナ」の違いについて、「りんな」「シャオアイス」の生みの親であるマイクロソフト リサーチ アジア所長のシャオウェン・ホン氏は、「コルタナ」がユーザーのタスクを支援するものであるのに対し、「りんな」はユーザーと感情のつながりを持つものだと定義している。
コルタナに「近くにレストランはある?」と聞くと周辺のレストランを的確に教えてくれるが、「りんな」は「ねえ、お腹が空いてるの?」と聞き返してくる。より人の心に寄り添った、配慮を見せるのだ。「りんな」の持つ「人への配慮」という側面は、顧客へのサポート業務にも活用できるのではないか。

企業がひとりひとりの顧客と関係を深めることは難しい。しかし、バーチャルロボットではそれが実現できる。そして関係を深めるべき顧客は言語に縛られることなく、世界中に広がるだろう。
バーチャルロボットを介して企業が顧客と信頼関係を築く日もそう遠くないはずだ。


<参考・参照元>
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