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ロボットやAIが成功のカギを握る?経費削減を多角的アプローチで実現するには

企業にとって「経費削減」は永遠のテーマである。さまざまな分野において自動化が進む今日、経費を削減するためのアプローチは一つではない。経費削減を実現するためには、自社に合ったアプローチが重要である。
そこで今回は、人件費・電力の自由化・情報処理を助けるソフトウェア、この3点を軸にして検証していきたい。


予知システム導入による人件費の削減

経費として一番大きいのは人件費であろう。リスクを回避しつつ最大限の効果を得るにはどうしたらよいのだろうか。

近年、日本では人工知能による故障予知システムの実用化が進められている。スカイディスクは、人工知能により集積したデータから学習モデルを構築し機械の異常を予測する分析サービス「SkyAI」を開発した。インターネットを介さずに故障予測をしてくれるため、導入コストを抑えることができる。
また、生産ラインを停止する時間を最小限に抑えることが可能となり、損害を拡大化させないためのリスクマネジメントの手段としても有効だ。さらに、随時異常数値に反応してシステム修理を行うため、正常な生産ライン保全の自動化が実現し、これは人件費削減につながっていく。すでに電力共有施設などで活用されているという。
こういったソフトの導入は製造業や機械による運用が中心の企業にとって大変有効で、今後一般化していくことが予想される。
製造業に関わらず、情報分析に基づく未来予測は企業の指標を決定するために重要な役割を果たす。
このような予知システムは自社に合った未来予測が可能となるため、あらかじめ適正な人員配置の采配を振ることができる。また、リスク管理を人工知能に託すことで、スムーズな業務と経費削減の両立も実現する。


電力の自由化を味方に経費を削減

人件費の次に経費として削減できるものとして挙げられるのは、電力だ。2016年4月から電力の自由化により電力会社を選択できるようになったが、一概にどの電力会社に乗り換えたからいくら安くなると言えるほど単純なものではない。
生産工場の場合は別だが、オフィスビルの一角やマンション物件にオフィスを所有しているのであれば、物件の共有部と同一の電力会社に乗り換えることで、電気料金の節約が可能となるかもしれない。電力使用量にもよるが、平均して約1割強の使用料金削減が見込めるプランを提示している電力会社があるようなのだ。
大阪府の新電力、関西エネルギーパワーは、省エネ改修工事も併せたプランを設けており、省エネ機器導入を検討している企業にとっては利用価値が高い。
広く展開している企業ほど、電力会社乗り換えによる削減経費額は比例して大きくなることが考えられる。電力会社を選ぶだけでなく自社に合った料金プランを模索することで使用料金が抑えられる可能性は高いのだ。一般家庭用の低圧電力を供給している会社は400社以上、工場などの高圧電力を供給している会社は200社以上もあり、比較が難しいためか乗り換えをためらう企業が多い。つまり、電力という削減できる経費を減らせないでいる企業がほとんどであるということだ。
実際にどのように比較したらいいのかわからないというときは、そのようなニーズに応えてくれる電力会社比較サイトやアシストサービスを利用し、検討することで余計なコストを抑えることが可能となる。そして、それらを利用する価値は十分あるといえるだろう。


時間短縮ソフトで無駄を削減

経費削減のために忘れてならないのは、無駄な時間の削減だ。たとえば、時間ばかりかかる事務的な処理等は自動化すべきではないだろうか。そのために開発された情報処理を助けるソフトの導入も検討すべきときが来ているかもしれない。
同じ書式で何度も入力しなくてはいけない事務処理であれば「RPAロボティック・プロセス・オートメーション)」というソフトが活躍してくれる。
欧米企業を中心に取り入れられていたが、2年ほど前から日本でも普及しており、利用する企業が増えている。RPAはデータとして入力しなくても書類から文字を読み取り取り込むことができるため、導入後もスムーズな移行が可能となる。
実用成功例としてオリックスグループの成果があげられる。これまで同社では外部旅行サイトからレンタカーの予約があった際に、自社のフォーマットへの入力は人の手でされていた。そのため、ミスが目立ち、多くの人員と時間を割かざるを得ない状況が生まれていた。そこで同社はRPAを導入したところ、処理能率が手入力に比べ8倍に上がったという。

日々の煩わしい業務に時間を取られ、肝心な業務に手が回らず忙しさのあまりミスが起こるという悪循環はどこの企業でも起こっていることだろう。そうしたミスが企業全体の信用を落とす要因にもなりかねない。特に書類作成業務が多い業種においては導入を検討する是非があるだろう。
人工知能を搭載したシステムはエンジニアなしで継続して運用するのは難しいという一面もあるが、こうした情報処理を担うソフトであれば導入するだけで時間短縮を実感することができる。


企業それぞれの課題を顕在化させることが第一歩

経費削減のための方法は先に述べた以外にも、いくらでも存在する。ガス・水道代、出張費、通信費、交通費、福利厚生、今まで何気なく使っていた経費の用途について精査し、財布の紐をきつく締め、社員の意識改革を進めることができれば削減は少しずつ実現していくだろう。しかし、それだけでは根本的な部分は改革されない。
また、単にソフトやシステムを導入するだけでは大幅な経費削減にはつながらない。各企業に存在するそれぞれの課題を顕在化させることが経費削減のための第一歩である。
検証してきた内容からも分かるように、様々なメリットを持ったシステムが存在し、発揮される条件はそれぞれ異なる。
自社の現状とニーズにマッチングしたアプローチを選び、どう生かしていくかというビジョンを明確に持つことが経費削減成功のカギである。


<参考・参照元>
メンテナンス効率化でコスト削減、AIが製造業にもたらすインパクト | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
事務作業も自動化進む 第一生命やオリックス、「ロボ」ソフトで労働時間削減 :日本経済新聞
マンションの「共用部+専有部」セットで割引になる電力プラン | ニュース | 環境ビジネスオンライン

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