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【インタビュー】お寺をシェアで活用! 外国人や若い世代の日本文化体験を創る(株式会社シェアウィング雲林院奈央子社長)

民泊」の広まりにより、日本でも定着しつつあるシェアリングエコノミー。インターネットを介して場所や乗り物、人などの遊休資産を個人間で売買・貸借する新しい経済活動であり、いわば次世代型の消費スタイルだ。

シェアリングエコノミーを牽引してきたアメリカでは、UberAirbnbなどを筆頭にグローバルな成長を遂げる企業が増加。全世界的な予想としては、2013年に約150億ドルだった市場規模が2025年には約3,350億ドル規模と、10年あまりで20倍以上の成長が見込まれている。

日本では2016年に民泊の規制緩和が施行されるなど、シェアリングエコノミーが特段珍しいものではなくなる社会の醸成に向けて動き出しているようだ。そうした中、お寺を日本文化体験の場所として捉え、宿泊や座禅、写経などのサービスを提供する「OTERA STAY(お寺ステイ)」が、外国人や若者にじわりと人気を呼んでいる。そこで、「OTERA STAY」を運営する株式会社シェアウィングの雲林院奈央子社長に、目新しいビジネスモデルの原点、今後の展望について伺った。


檀家の減少待ったなしの地方寺院を観光資源に転換

大手下着メーカーで企画・開発・新規事業を担当していた雲林院氏。出産を機に退職し、26歳で会社を立ち上げ、化粧品開発をはじめ下着の企画、PRなど多岐にわたる事業を展開してきた。「日本と諸外国の草の根外交活動がライフワーク」と語るが、自身も日本の伝統文化に造詣が深かったという。キャリアの輪郭をなす企画力を、新たな消費の可能性を生むシェアリングエコノミーと、歴史的資源としてのお寺の融合に役立てようと考えついたのも自然の流れだったようだ。

「シェアリングエコノミーの盛り上がりを感じはじめていた3年前、ちょうど子育て真っ只中だったこともあって、時間やモノなどの資源を誰かと共有する生き方って素敵だなと思うようになったんです。そこで、趣味の範疇で友人30人くらい集めて、シェアリングエコノミーの研究会を開催。皆でシェアリングエコノミーの文脈に沿ったプランを持ち寄って、意見交換を行うのですが、私はその時すでにお寺にまつわる事業を発表していました。」(雲林院氏)

昔から社寺が好きだったという雲林院氏。社会人になってから、趣味で全国を旅するようになったというが、地方で寂れたお寺の様子を目の当たりにして胸を痛めたという。

「お寺はどんな辺境の土地でも必ずあって、もちろんリフォームはされていますが、800年以上の月日を経ても変わらず存在しているんです。しかし、立派なお寺がある一方で、寂れた佇まいのお寺も少なくありません。お寺を人が集まる場所に蘇らせるためにはどうしたらいいのか、ずっと考えていました。歴史や文化を感じられる素晴らしい建造物として今にその姿を残している、この場所こそ日本文化を体験してもらうにはベストだと思っていました。」(雲林院氏)

それまで、外国大使館の職員と仕事をする中で、「日本の良さを理解できる場所に連れて行ってほしい」と頼まれ、お寺を選ぶと喜ばれることを経験から学んでいた。見学するだけではなく、お寺で何かを体験できれば訪日外国人にもきっと響くはずだと確信していたという。


社長もシェア! はじめて尽くしの会社の船出

長年温めてきたお寺復興に向けたビジョンを打ち明けたのは、18歳からの友人であり、現在ともに会社を支える佐藤真衣氏。佐藤氏のFacebookの投稿で、シェアリングエコノミーに関心が高いことを読み取った雲林院氏が、会って話したいと声をかけたところ意気投合。

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