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PBを立ち上げ快進撃を続けるゾゾタウン。時価総額1兆円企業の次なる敵は巨人・アマゾン

国内のアパレルECでトップの座を独走するZOZOTOWN(ゾゾタウン)。前澤友作氏率いる運営企業スタートトゥデイの時価総額は約1兆円といわれ、プライベートブランド(PB)である「ZOZO」を立ち上げるなど、その存在感は大きくなるばかりだ。アパレルの常識を変え、急成長する同社。果たして、ZOZOTOWNに死角はないのだろうか。
2018年春に日本へ本格進出する巨大ECのファッションサービスの存在も踏まえ、今後を議論してみたい。


一人勝ちを続けるZOZOTOWN

ZOZOTOWNは、日本最大級のファッションショッピングサイトとして、20代、30代の若者を中心に利用されている。
現在、年間の商品取扱高が2,000億円超、運営するスタートトゥデイの時価総額は約1兆円を達している。時価総額は、百貨店大手の三越伊勢丹の約2倍。その勢いは止まるところを知らない。ちなみに、国内のアパレル関連企業で時価総額が1兆円を超えているのは、ファーストリテイリングのみ。
ZOZOTOWNの勢いをうかがい知ることができる。

ZOZOTOWNは、さまざまな取り組みにより、顧客ニーズをがっちりつかんでいる。
ツケ払いを可能にしたり、古着の下取りを行ったりすることで新たな洋服の購入を促進する「買い替え割」、そして古着サービスの「ZOZOUSED」の展開。「ネットで洋服は売れない」という常識を打ち壊している。
そして、今後はプライベートブランド「ZOZO」の展開を予定している。世界的に見ても、アパレル業界で大きな成功を納めているZOZOTOWN。
なぜこのような成果を生み出すことができたのだろうか?


在庫リスクを回避し利益を上げるZOZOTOWN

ZOZOTOWNが成功した理由は、大きく分けて2つの側面から考えることができる。

まず、ユーザーサイドで考えると、ECサイトの使い勝手を追求していることが挙げられる。
商品の検索性を高めて、ユーザーが欲しいものが見つかりやすいようにサイトが設計されているのだ。利用頻度が増えてきたユーザーに対しては、レコメンド機能が有効に働くようになっている。
さらに、WEARというアプリを使用すれば、コーディネートに関する情報をアプリのユーザーやショップスタッフなどと交換することも可能。このように、ZOZOTOWNは、使い勝手が他のサイトやアプリに比べて大きく優れているのだ。

もう一つの側面はZOZOTOWN側のオペレーションだ。
ZOZOTOWNは、在庫を置いていない。物流倉庫はあるものの、基本的にはZOZOTOWNに出展しているショップが間借りしているような形式となっている。これにより、ZOZOTOWNは在庫リスクを抱えることなく、商品をユーザーにスピーディーに届けることができる。
実際、ZOZOTOWNが商品を買い取っているのは、2017年3月期時点でわずか7店しかない。残りの947店は全て洋服を在庫として仕入れていないのだ。このため、ZOZOTOWNは、業界でも高い利益率を保つことができる。


「送料は顧客が決める」話題性ある取り組みで他社を圧倒

また、ZOZOTOWNはさまざまな施策により、ユーザーの興味・関心を高めている。その一つが、「送料を顧客が決めることができる」というキャンペーンだ。この送料は、選択しようと思えば「0円」を選ぶこともできる。
2017年10月に行われたこのキャンペーンの結果は、0円を選んだ顧客は全体43%で、そのほかの5割以上のユーザーは送料を支払ったという。

このキャンペーンの狙いはどこにあったのか?
あくまで推測だが、ZOZOTOWNとしては、適正な送料を把握する狙いと、キャンペーンによる話題性によってさらなる集客を図ったのではないだろうか。結果を見る限り、ZOZOTOWNが送料を負担していることになっているはずだが、このようなことができてしまうくらいZOZOTOWNは好調という見方もできる。


1日6時間労働制を取り入れたスタートトゥデイ

また、ZOZOTOWNの運営企業スタートトゥデイは、独自で働き方改革も行なっている。
たとえば、これまで常識とされていた1日8時間労働から6時間労働へ切り替えたのだ。
これは、「常識を疑う」というZOZOTOWNのスタンスから生まれた制度。「人間が本当に集中して仕事をできるのはせいぜい3時間から4時間ではないか」代表の前澤友作氏はこのように考え、2012年5月からこの制度を導入している。

1日6時間労働を機能させるために、業務にも工夫がある。
普通の会社であれば、会議のために資料を作成するのは当たり前になっているが、スタートトゥデイでは資料作りを不要としている。自分の言葉で伝わるようプレゼン能力を高めることを要求しているのだ。このような独自の取り組みもあり、ZOZOTOWNは急成長を遂げている。


巨人Amazonの参入でZOZOTOWNとの一騎打ちが始まる?

このように、急成長を遂げているZOZOTOWN。果たして、死角はないのだろうか?
対抗馬として考えられるのは、巨人・Amazonの存在だ。Amazonは、2018年春に東京・品川にAmazon Fashion専用の撮影スタジオをオープンする。品川スタジオは、ブルックリン、ロンドン、デリーに次ぐ4番目のスタジオで、総面積は最大規模となる約7500平方メートル。

内部には、撮影に必要なスチール撮影エリアから、ヘアメイクを行う場所まで揃え、年間で100万点以上の商品画像や動画の制作を行う計画だ。2018年以降、日本ではアパレスECトップの座を巡って、ZOZOTOWNとAmazonが激しい競争を繰り広げるかもしれない。
その時、ZOZOTOWNはどのような一手を繰り出すのか。これから1、2年が、アパレルEC業界の勢力図を決める重要な時期となりそうだ。


<参考・参照元>
会社概要 - 株式会社スタートトゥデイ
41歳で「1兆円帝国」を築いた前澤友作の真価 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
時価1兆円突破「ゾゾ」だけが儲かる事情 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
スタートトゥデイ傘下の「ZOZOUSED」が好調な理由は? クラウンジュエル社長に聞く | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
栁澤孝旨副社長兼CFOに聞く・スタートトゥデイの好調要因は?㊤ 「ECの成長はとめられない」 - 通販新聞
Amazonが日本初の撮影スタジオを品川シーサイドに開設、ファッション事業に投資 | Fashionsnap.com
「当たり前を疑う。」1日6時間労働導入の狙い。 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
ZOZO「送料自由」、平均は96円 - ITmedia ビジネスオンライン

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