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百貨店ビジネスの新たな形を実現する!ギンザシックスの新たな試みとは

東京の一等地・銀座6丁目に、誕生したラグジュアリーデパート・ギンザシックス。開業から順調な滑り出しを見せ、初年度は目標を達成しそうな勢いだ。
ギンザシックスは、これまでの百貨店と異なるビジネスモデルや独自アプリの開発などの施策によって、事業を展開しようとしている。
果たして、不振にあえぐ百貨店業界で、輝き続けることができるのだろうか。


滑り出し好調なギンザシックス

東京の新名所として期待されているギンザシックス(GINZA SIX)。2017年4月に開業してから、わずか4カ月で売り上げ220億円、入店客数は700万人を突破した。
初年度目標として、掲げている売上高600億円、入店客数2,000万人も十分射程圏内に入っている。

高級ブランド店をはじめとする241ブランドが、ラグジュアリー・モールを謳う4万7000平方メートルもの面積を持つ商業施設で展開。屋上には都会の喧噪からくつろげる庭園も用意されている。
高級感、ラグジュアリーというキーワードが先行しがちなギンザシックスだが、実はその経営方針やサービス内容も、他のデパートと異なる部分がある。
苦戦している百貨店ビジネスにとって、ギンザシックスの経営はモデルケースとなるかもしれない。


小売はしない、不動産業に徹する

まず、特徴的なのが、ギンザシックス自体が小売をしないことだ。
通常のデパートであれば、そこが製品を仕入れて販売を行うが、ギンザシックスの場合、ブランドに対して店舗スペースを提供して、その賃料を収入源としている。この方式だと、売り上げが商品の販売量に依存することなく、安定して収入を得ることができる。

また、不動産ビジネスに徹しているため、百貨店にある花形バイヤーや販売スタッフなどもいない。
これが、ギンザシックスが他の百貨店ビジネスと大きく異なるところである。ショッピングスペースだけではなく、地上13階のうち7フロアをオフィススペースが占めるのも特徴として挙げられる。

銀座というブランドの影響もあり、三井住友銀行や第一生命といった一流企業から、ベンチャー企業のリンクアンドモチベーション、そして今後ユニコーン企業として世界的な注目を集めるWeWorkが拠点を構える予定である。
オフィス賃料は、ファッション系の店舗に比べ、安定した稼働率を保つことができる。
そのため、ギンザシックスの業績をさらに安定させるための一因となっているのだ。


独自のアプリで顧客ロイヤルティーを向上

ギンザシックスは、来店する顧客に対するサービスにも特徴がある。その一つが、最近では当たり前になりつつあるポイントカードを発行しないことだ。
その代わり、スマートフォン向けのアプリを用意して、これを軸に顧客ロイヤルティーを高める施策を行っている。

これを実現するために、ギンザシックスは、CRMを従来の百貨店のものを踏襲せず、独自のものを構築。データに基づいた徹底した顧客管理を実現している。

スマートフォンアプリ「GINZA SIX アプリ」を用いることで、製品購入時にバーコードを提示。それを読み取ってポイントを発行している。そして、アプリの購入履歴とCRMを紐付けて、顧客の行動を分析している。
また、アプリをダウンロードした顧客に対しては、ビーコンによる店舗の案内やクーポンなどの情報を配信している。
ビーコンとは、スマートフォンに搭載されたBluetoothを活用した通信方式で、アメリカでは広く活用されている。このようにして、ギンザシックスは、アプリを通じて、顧客へのサービス品質向上に努めている。

年間の購入金額によって、無料のラウンジが利用できたり、駐車場も無料で利用できたりするようになるなど、VIP顧客向けに特典も用意している。
銀座の一等地で、このようなサービスを受けられることに価値を感じる人は多いのではないだろうか。


銀座の新名所として、ギンザシックスは輝きを増す

このように、ギンザシックスは、従来の常識に囚われない新たな取り組みで、顧客に価値を提供しようとしている。
初年度は、この勢いで見込みどおり入店客数、売り上げを達成するのではないか。

このような新しい取り組みを進められる背景には、異業種とのコラボレーションが大きいもしれない。
ギンザシックスは、森ビルや住友商事など、4社が共同出資して運営されている。異業種とも連携して、その効果が今のところ功を奏しているようだ。

従来の常識に縛られないこの取り組みが成功すれば、不振にあえぐ百貨店業界に大きな成功事例になるだろう。
百貨店に残る古い慣習の全てが悪いとは言えないが、これが業績の足を引っ張っているようだと、それを断ち切る必要があるのは明らかだ。そして、異業種とのコラボレーションを進めたり、ビジネスモデルを大きく転換したりする必要があるだろう。

また、ギンザシックスも、本当の意味で実力が問われるのは、2018年以降だろう。
2017年は、目新しさもあり、それが集客に寄与していた可能性が高い。しかし、2018年以降は、そうもいかないはずだ。

数多くの名所がある銀座で、その存在感を示すには、より一層顧客に価値を提供し、リピートしてもらえる仕組みを作る必要があるだろう。
ラグジュアリーで開放的な店内がより輝きを増すかどうか、今後のギンザシックスの取り組みに注目したい。


<参考・参照元>
GINZA SIX | ギンザ シックス
「ギンザ シックス」開業4カ月強で売上高220億円│WWD JAPAN
ギンザ シックスが「規格外」である理由 (1/4) - ITmedia ビジネスオンライン
「GINZA SIX」がメンバーシッププログラム「GINZA SIXカード」とスマホアプリ「GINZA SIXアプリ」を提供 « ペイメントナビ - カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト

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