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「アマゾン銀行」が誕生!? アマゾンが銀行業へもたらすインパクトを探る

Amazon(アマゾン)が銀行業に参入するのではないか」

2017年末に飛び込んできたニュースは、金融業界などに大きなインパクトを与えた。アメリカも規制緩和を行い、この動きを支援しようとしている。
2018年、アマゾン銀行は誕生するのだろうか。アマゾンだけでなく、アメリカを取り巻く状況を踏まえながら考えてみたい。


衝撃のニュース!アマゾンが銀行業へ!?

2017年末、アマゾンが銀行業界にいよいよ参入するのではないかというニュースが飛び込んできた。地方銀行の買収なども含め検討を進めており、ひょっとすると2018年中に参入するかもしれないという声もある。

まだ正式に発表されたわけではないとはいえ、以前から噂されていたテック系企業の銀行業参入は徐々に現実味を帯び始めている。
アメリカでは、銀行の規制当局である通貨監督庁(OCC)のノレイカ長官代行が、2017年11月に長年強いてきた銀行業と商業の分離を撤廃するよう呼び掛けている。金融業界からのロビー活動があるにもかかわらず、このような声明を発表するのは異例だろう。

アマゾン銀行、グーグルバンク、Facebook銀行、既存の金融機関が最も恐れているシナリオが動き始めるかもしれない。2018年は、そんな注目の一年になるのではないだろうか。
しかし、アメリカの金融当局者がこのように発言する背景には、一体どのような危機感があるのだろうか。
そこには、アメリカ国内の事情だけでなく、世界の金融競争で遅れてはならないという危機感がある。


中国に対抗、アメリカで求められる規制緩和

ITといえばアメリカ。その存在感はいまだに大きいとはいえ、その地位が徐々に脅かされつつある。それは、中国系IT企業の台頭だ。

近年の中国系IT企業の躍進は、世界的にも大きな注目を集めている。たとえば、メッセンジャーアプリ「WeChat」を提供しているテンセントは、時価総額でFacebookを抜いていると言われている。ネット通販では、大手・京東商城(JD.com)がヨーロッパ市場への進出を表明。
また、アリババは東南アジアでの販路を拡大すべく、積極的にトップ営業を行っている。特に、決済ではインドの決済サービス大手・ペイティーエムの筆頭株主となっており、タイでは最大財閥のチャロン・ポカパングループと提携を行っている。

さらに、中国は以下の4社を「AI国家プロジェクト企業」と認定してバックアップすることを発表している。

  • 自動運転:百度
  • スマートシティ:アリババ
  • 医療映像:テンセント
  • 音声認識:アイフライテック(中国名・科大訊飛)

このように国をあげて取り組みを進める中国に対抗するために、アメリカに焦りが生まれている可能性もある。
現在のところ、アメリカの動きに遅れが生じているのは否めないだろう。


アマゾンが金融業務を始めるとどうなるか

このような情勢を踏まえると、アメリカがテック系企業の銀行業参入を進める可能性は十分に予想できる。
金融関係者など、アマゾン銀行が参入してきた時の影響を今から考えておく必要があるだろう。

アマゾンが銀行業として最初に取り組む事業は、まずBtoCファイナンスからとなるだろう。
モール出店者への融資やアマゾン以外でも利用できる決済サービスが生まれるかもしれない。また、許可が得られれば投資信託などの金融商品も販売される可能性もあるだろう。アマゾンのポイントを、金融商品で運用するなども考えられる。

ただ、これらのサービスはすでにアリババグループのアント・フィナンシャルが提供しているものだ。
当然、アマゾンはこのアント・フィナンシャルのことを研究し尽くして、それを上回るサービスを開発する可能性も否めない。そう考えると、アマゾンが銀行業に参入することはBtoCファイナンスに想像以上の影響をもたらす結果となるかもしれない。


アマゾン銀行がもたらすインパクト

2018年の銀行業参入が噂されるアマゾンだが、日本での展開はもう少し先になるだろう。とはいえ、アマゾンが展開する金融事業に対する期待度は非常に大きい。ここ10年で、日本のBtoCファイナンスは大変化する可能性かもしれない。

しかし、アマゾン銀行のインパクトは、BtoCファイナンスがメインになるだろう。市場規模がより大きいBtoBファイナンスの展開までできるかは難しい問題だろう。企業のファイナンスで求められる信用を、大手銀行以上に得られるかと言われると難しいのではないだろうか。
今後、BtoCファイナンスはアマゾンをはじめとしたテック系企業、BtoBファイナンスは従来の金融業を営む大手銀行などのすみ分けが起こる可能性がある。

このことを念頭に置きながら、ビジネスの展開を考えることが今後求められるだろう。2018年、金融業界にとって画期的な一年になるか、まずはアメリカの動きに注目しよう。


<参考・参照元>
米アマゾンの銀行業への進出、18年に中小銀買収で開始も-CFRA - Bloomberg
「アマゾン銀行」誕生も-米当局者が銀行業と商業の分離撤廃呼び掛け - Bloomberg
「米国はフィンテックで中国に完敗」 元駐中国アメリカ大使が発言 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
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