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ICT市場の成長が加速!2018年には全世界で4兆ドル規模へ

アメリカの市場調査会社のIDCが、世界のICT市場が今年2018年に4兆ドル規模に達すると予想するレポートを発表した。

成長が続く世界のICT市場だが、その内容はどうなっているのか。レポートの概要を紹介するとともに、現在の世界のICT市場を物語るいくつかのキーワードを抽出し、ICT市場の世界的なトレンドをまとめてみた。


全世界のICT市場が4兆ドル規模へ

市場調査会社のIDCが、全世界のICT市場が2018年に4兆ドル(2018年5月7日現在日本円にして約436兆円)規模に達するとするレポート「ワールドワイド・セミアニュアル・ITスペンディングガイド」を公表した。

日本の年間国家予算の4倍にも達する巨大市場だが、そのうちの1.5兆ドル(2018年5月7日現在日本円にして約163兆円)はコンシューマー市場が占めるとしている。コンシューマー市場は対前年比わずか1.2%の増加で、80%がデバイスとモバイル通信サービスに使われるとしている。
全世界のICT市場の30%がモバイル関連の投資や消費で占められているわけだが、現在の世界がどれだけ「モバイル化」しているかわかるだろう。


成長が期待出来るセクターは?

成長が期待出来るセクターとしては、「バンキング」「ディスクリート・マニュファクチャリング」「テレコミュニケーション」「プロフェッショナル・サービス」の4分野を挙げ、合計で9,000億ドル(2018年5月7日現在日本円にして約98兆円)程度の市場規模になるとしている。

いずれのセクターでもアプリケーション、インフラストラクチャー、アウトソーシング、テレコムサービスなどへの投資が特に増加し、「バンキング」では特にITアウトソーシングとプロジェクト別アウトソーシングへの投資が増加するとしている。
「テレコミュニケーション」ではインフラストラクチャーへの投資が特に増加するとしている。

また、「プロフェッショナル・サービス」と「バンキング」がそれぞれ年率5.9%、5.2%と、最も高い成長率で成長すると予想している。
「バンキング」をサービスとして提供するというBaaS(Banking as a Service)という新たなビジネスモデルが生まれてきているが、BaaSを成立させるにはテレコミュニケーションなどへの投資が必要だ。BaaSのトレンドが世界的に広がると予想される今後、「バンキング」のセクターのICT投資が減る事はありえないだろう。


国別ではアメリカを中心に日本も成長

国別ではアメリカが1.3兆ドル(2018年5月7日現在日本円にして約142兆円)と、世界最大のICT市場を有するとしている。
アメリカに次いで中国、日本、イギリス、ドイツが続くとしている。国別市場成長率では、フィリピン(7.5%)、インド(7.0%)、ペルー(6.7%)が高い成長率を示すとしている。

Microsoft、Facebook、Google、Apple、Amazon等々、アメリカには世界的なIT企業が集中しており、ICT投資を自ら牽引している様相が見て取れる。
IT企業はアメリカ経済を引っ張る駆動車でもあり、今後も大きくICTへ投資し続けるだろう。


企業規模は大規模企業が先行

企業規模では、従業員数10名未満の企業が市場全体の7%を消費し、そのほとんどが固定通信とモバイル通信、およびデバイスに使われるとしている。

また、従業員数1,000名以上の大企業が市場全体の50%以上を消費するとしている。企業によるICTへの投資・消費は主にITアウトソーシング、プロジェクト別アウトソーシング、アプリケーション、インフラストラクチャーの分野で行われるとしている。


ITへの投資が2.16兆ドルに

また、ITへの投資が2.16兆ドル(2018年5月7日現在日本円にして約236兆円)と全体の半分以上を占め、デバイス、アプリケーション、ITアウトソーシング、プロジェクト別アウトソーシング、システム開発、ネットワーク構築などに使われるとしている。

特にテレコミュニケーションへの投資が1.5兆ドル(2018年5月7日現在日本円にして約164兆円)で、固定およびモバイル・テレコムサービス全体の95%を占めるとしている。テクノロジー投資ではモバイルフォンが最大のセグメントで、5,000億ドル(2018年5月7日現在日本円にして約55兆円)が使われるとしている。

また、モバイルデータとモバイル・ヴォイス市場もそれぞれ4,000億ドル(2018年5月7日現在日本円にして約44兆円)に達するとしている。


キーワードは「大企業」「アメリカ」「ITアウトソーシング」「プロジェクト別アウトソーシング」

総じて見るに、2018年の世界のICT市場を語るキーワードは「大企業」「アメリカ」「ITアウトソーシング」「プロジェクト別アウトソーシング」になりそうだ。

BPO(Business Process Outsourcing /ビジネス・プロセス・アウトソーシングとは自社の業務プロセスの一部を外部の業者へ委託するタイプのアウトソーシングのこと)が世界的なトレンドになりつつあるが、ICT投資でも相当額がBPOなどのアウトソーシングに使われる事になりそうだ。
特に「ITアウトソーシング」の領域でのBPOが今後相当普及すると予想される。

別の調査でも全世界のBPO市場の90%をアメリカが占め、独占状態になるとしている。全世界のBPO市場も今後年率3.19%の伸び率で成長し、2021年までに1,637億ドル(2018年5月7日現在日本円にして約18兆円)規模に達すると予想されている。

また、「大企業」が今後もICT投資の主たるプレーヤーとなるのは間違いないだろう。日本でも各種の大企業がICTへの大規模な投資を行っている。
特にITなどの領域ではインフラストラクチャーへの投資にそれなりの資金が必要となる。財務体質が貧弱で資金調達余力に乏しい中小企業では大きな投資は難しいだろう。

巨大市場と化した世界のICT市場だが、グローバルに共通するトレンドはあるようだ。
トレンドを見落とさぬよう、またトレンドに遅れぬよう、今後もウォッチしてゆきたい。


<参考・参照元>
Consumers Account for Largest Share of Spending, but Enterprise Investments in Will Drive Worldwide ICT Market to Almost $4 Trillion in 2018, According to IDC | Business Wire
BPO Services Global Industry Market value expected to $163,764.0m by the end of 2021

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