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100%キャッシュバックを行うマーケットプレイス?個人情報を仮想通貨でやりとり

ドイツのベンチャー企業のrepay.meが、100%キャッシュバックを行うマーケットプレイスを開設する。

消費者の個人情報を企業に提供する事で最大100%のキャッシュバックが受けられるという「repay.me」のマーケットプレイスのビジネスモデルとは、一体どのようなものなのか。その概要をお伝えしつつ、成功の可否を占ってみる。


repay.meというベンチャー企業

repay.meは2015年設立の、ドイツのベルリンに拠点を置くベンチャー企業だ。
repay.meは現在、2018年内のオープンを目指して最大100%キャッシュバックを行うマーケットプレイスを開発している。AmazonやeBay、あるいは日本の楽天などを筆頭に世界にマーケットプレイスは多数存在するが、repay.meのマーケットプレイスがユニークなのは、最大100%のキャッシュバックを謳っていることだ。

repay.meのキャッシュバックの原資となるのは消費者の個人情報である。repay.meのマーケットプレイスでは企業が個人情報を仮想通貨で買う事ができる。消費者は個人情報を提供するかわりにキャッシュバックを受け取るという仕組みだ。

repay.meによると、個人情報は「21世紀のゴールド」であり、その対価は消費者に還元されるべきだという。
2014年にオランダの学生が自分のEメール、スケジュール、健康情報などの個人情報をオークションに出品し、480ドルで販売したニュースが流れたが、現代においては、個人情報はまさに「ゴールド」なのかも知れない。


支払いには独自の仮想通貨を使用

ところで、repay.meのマーケットプレイスではrepay.meの独自の仮想通貨REMEコインが使われる。
商品の購入はもちろん、企業が消費者の個人情報を入手したり、広告を掲載する際もREMEコインが使われたりする。キャッシュバックももちろんREMEコインで支払われる。REMEコインの発行量は限定されていて、repay.meによると、やりとりされる消費者情報の価値に応じて相応に相場が形成されるという。

消費者情報の需要が高まれば、REMEコインの価格がそれなりになる可能性があるというわけだ。
今のところ、REMEコインのICO価格は1コインあたり40USセントで3,750億コインの発行が予定されている。ICOで発行されなかったコインについてはすべて廃棄されるとしている。なお、法律上の問題から、REMEコインのICOにはアメリカと中国からは参加できない。

また、REMEコインは現在のところ、他の仮想通貨との交換もできない。


マーケットプレイスでやり取りされる個人情報

では、repay.meのマーケットプレイスでやり取りされる個人情報には何が含まれるのだろうか。
repay.meが公開している白書によると、repay.meのマーケットプレイスにおいては、企業は消費者のソーシャルデモグラフィックデータ、購買履歴、サーチ履歴、興味、購買志向などの情報を入手できるという。

Amazonやウォルマートなどが消費者の個人情報を巧みに分析して自社のマーケティングに活用していることは知られている。
repay.meは同様の情報を企業に提供して対価を得、それをそのまま消費者へ還元する。マーケットプレイスのビジネスモデルを大きく転換するものと言えるが、収益的に成立するのか興味深い。
筆者が見たところ、repay.meは広告の売上を確保することよりも、マーケットプレイスへの参加者を出来る限り増やしてマーケットプレイスでの取引を増やし、各種の情報の質と量を最大化する戦略を採っているように見える。

マーケットプレイスが活性化し、結果的に得られる情報の質が高まって量が増えれば、REMEコインの価格も上昇する可能性が高い。ファイナンス理論でいうところ時価総額経営の仮想通貨版を目指しているように見える。


キャッシュバックはマーケットプレイスを活性化させるか

オンラインクーポンサイトのリテールミーノットによると、キャッシュバックはオンライン店舗の売上を最大で46%増加させる事ができるという。
また、市場調査会社スタティスタによると、高額所得者層を含む消費者の71%が、キャッシュバックが提供された商品の購入に関心を持っているという。最大100%のキャッシュバックを行ってマーケットプレイスを活性化させるというrepay.meの戦略は実現するだろうか。筆者の考えでは、可能性は五分五分だと思う。

まず、Eコマースにおける消費者の最大の関心事のひとつは価格だ。
AmazonやeBayなどでの販売価格よりもrepay.meのマーケットプレイスでの販売価格が高ければ競争上不利だろう。100%のキャッシュバックが得られるとしても、トータルの購入価格が高ければ消費者へのインセンティブにはならない。

また、決済に独自の仮想通貨を使用するのも気になる。
キャッシュバックの原則は現金だ。リアルにせよバーチャルにせよ、限りなく現金に近い方が望ましい。できればドルや円といったハードカレンシーであることが望ましい。
仮想通貨という、実体に乏しいものをキャッシュバックされても実際にはインセンティブにならないかもしれない。しかも仮想通貨の相場が低迷した場合はなおさらだ。仮に相場が上昇局面にあったとしても、実体が乏しい仮想通貨ではボラティリティが高すぎる。
よってインセンティブとしては不十分な気がする。

いずれにせよ、個人情報から得られるバリューを消費者に還元しようという姿勢は評価できる。
年内にも立ち上がると見られているrepay.meのマーケットプレイスに今後も注目してゆきたい。

ところで、気になる個人情報の保護だが、repay.meのシステムはブロックチェーン技術を使って個人情報を保護しているそうだ。


<参考・参照元>
Blockchain Startup Can Help Consumers Profit From Their Personal Data
repay.me GmbH - clever einkaufen
The REME-coin lets online shoppers monetize on their data
New Coin Will Bring 100% Cashbacks to E-commerce With a Twist – The Merkle

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