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メルカリが7000億上場!世界進出のカギとなるアメリカ事業の現状は?

2018年6月19日、創業から5年のフリーマーケットアプリ大手、メルカリが東証マザーズに上場を果たした。初値は1株5,000円で、公開価格の3,000円を大幅に上回る結果となった。

株価は一時、ストップ高となる6,000円をつけ、時価総額は約8,100億円まで膨れ上がった。終値は5,300円をつけた。2018年最大の上場となった。
この新規株式公開で調達した資金をメルカリはどう生かすのか。
資金はアメリカでの事業拡大にあてられ、グローバル市場での新たな挑戦につなげるという見方が大きい。

2014年にアメリカへ進出したメルカリは、2017年、Facebook幹部をヘッドハントし、アメリカ事業のトップに据えるなどして攻勢を強めている。
世界最強のプレーヤーが君臨するアメリカで、メルカリのビジネスはどこまで浸透するのか。

◼️メルカリのもうひとつの事業の柱に?メルペイは独自の経済圏創出をめざす

メルカリ山田CEOの野望、アメリカ事業を強化へ

ロイターが、メルカリがアメリカ事業を強化する方向へ舵を切ったと報じている。
報道によると、「日本のフリーマーケットアプリのオペレーターのメルカリが、アメリカでの事業拡大をターゲットにしている」とし、2018年3月に大型の資金調達を果たしたメルカリが、ヘッドハントしたFacebook元幹部ジョン・ラガーリング氏をリーダーに、全社を挙げてコミットするとしている。

2013年の設立からわずか5年で時価総額10億ドルの規模に成長し、今や日本では知らない人が少なくなったメルカリだが、アメリカでのビジネスは日本のようには進んでいないようだ。
メルカリのアメリカ事業の重要性についてメルカリの山田進太郎会長兼CEOは、「アメリカでの成功なしに世界規模で成功する事はできません。アメリカでサービスが受け入れられてこそ、ユニバーサルなサービスになれるのです」とコメントしている。


アメリカ市場に「直接的競合は存在しない」?

また、アメリカ市場におけるメルカリのポジションについて山田CEOは、「直接的な競合は存在しない」とコメントし、法人ユーザーが多いeBayや、ファッションに特化したPoshmarkなどと事業ドメインが競合しないと主張している。確かに、メルカリのように一般の消費者同士が中古品を売買するP2Pプラットフォームは、2018年6月19日現在では存在していないようだ。

一方で、アメリカには古くからClassified(クラシファイド)と呼ばれるマーケットが存在する。
古くは新聞の日曜版に多数の売買情報が掲載され、実際にモノが売買されている。最近はClassifiedがアプリ化し、多数のユーザーが利用している。メルカリのように日用品に特化したフリマアプリと直接競合はしないかも知れないが、売買されるアイテムは少なからずバッティングする可能性がある。
特にCraigslistのように各地域に特化したClassifiedプラットフォームのドメインに切り込んでゆく事は、簡単ではないかもしれない。


楽天、LINEはアメリカ市場で苦戦

なお、アメリカ市場へは、これまでに他の日本企業も参入している。
楽天は2014年にサンフランシスコのリベートアプリ開発のEbatesを買収し、アメリカ市場進出を果たしている。しかし、アメリカでの知名度は限定的だ。また、LINEもアメリカでのサービスを開始したが、FacebookメッセンジャーやWhatsAppの牙城を切り崩せず、苦戦を余儀なくされている。
両社ともに、日本におけるほどの知名度は未だ獲得できていない。

アメリカでの事業展開が難しいことはメルカリの山田CEOも認めている。
「簡単ではないことはわかっています。しかし、他社は十分に努力しなかったのではないでしょうか」ともコメントし、アメリカでの知名度を得るためのインプットの投入と、努力し続けることの重要性を訴えている。
実際のところ、メルカリのアメリカチームは約100名体制で構成され、各メディアへの露出を図るなど、プレゼンスの強化に努めているようだ。


一般的なアメリカ人の認知度は?

実際のところ、一般艇なアメリカ人のメルカリの認知度はどの程度なのだろう。
筆者は、高校と大学の一時期、そして社会人として一時期をアメリカで過ごし、今も多くの友人がアメリカにいる。
ほとんどはカリフォルニア州の住民だが、30代から50代までのアメリカの友人10人にFacebookでメルカリを知っているか聞いてみた。メルカリを知っていると答えた人は、残念ながらゼロだった。

一方で、ネットでモノを売買してお金を稼ぐアメリカ人達の間では、メルカリは確実に知名度を上げてきている。
YouTubeには、Amazon、eBayなどを使ってお金を稼ぐ方法を伝える動画がたくさん投稿されているが、そうしたものの中にメルカリを紹介するものや、メルカリの使い方を教えるもの、メルカリとPoshmarkを比較するものなどが登場してきているのだ。
また、企業の越境ビジネスを支援している筆者の知人によると、日本からアメリカへモノを売っている業者や個人の中で、メルカリを使う人が最近増えてきているという。

日本からアメリカへモノを売る場合、ほとんどのケースでeBayとAmazonが使われる。それらに加えて最近は、メルカリも合わせて使うケースが増えているそうだ。
モノを買うアメリカ側でメルカリが使われ始めている証拠だが、このトレンドは今後も続きそうだという。


メルカリ(Mercari)という名前がネック?

最後に、メルカリ(Mercari)という名前について言及したい。Mercariとは古いラテン語のようだが、一般的なアメリカ人にとってなじみのある言葉ではない。

発音もR発音を中心としたもので、日本語の「メルカリ」とはまったく違ったものになっている。「メルカリ」よりも「マーカリ」の方が近い。
過去にマツダがアメリカに進出した際、日本語読みの「マツダ」がまったく通じず、現地風に読み替えられて「マーズダ」となってしまったのは有名な話だが、メルカリも同じ轍を踏む可能性がある。

グローバルに通じるブランドを作るには、例えば過去に松下電器がPanasonicをグローバルブランドとして採用したように、それにふさわしい名前が必要なのは間違いないと思う。


<参考・参照元>
Rare Japanese unicorn Mercari targets rapid U.S. expansion | Reuters
Japan's Mobile Marketplace Giant Mercari Launches in the US
メルカリ上場、時価総額7000億円超 —— 米中主導のプラットフォーマー覇権争いに日本企業 | BUSINESS INSIDER JAPAN

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