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副業が企業のメリットに?パラレルキャリアの時代の副業との向かい合い方

政府が掲げる「働き方改革」の一環に、副業解禁の動きがある。これまで企業においてタブー視されてきた「副業」。今後は多様なキャリアを構築する上で従業員にとっては可能性が広がる一方、企業側はその対応に迫られている。現在、副業を解禁している企業の動向と、副業がもたらすメリット・デメリットを取り上げる。


働き方改革で掲げる「副業解禁」

政府が掲げる「働き方改革」。企業もその対応に迫られており、その中でも残業対策と並んで頭を悩ませるのが「副業対策」だ。働き方改革の目玉の一つとして、従業員の「パラレルキャリア」の構築が含まれており、それを実現するため、副業解禁は有力な手段となっている。また、国のモデル就業規則に含まれる副業・兼業を禁止する規定は、今後削除される方向へ動いている。このような動きを踏まえ、大企業でも副業を解禁する動きが出ている。例えば、2016年2月にロート製薬が副業を解禁し、大きな話題を呼んだ。

この副業に関する議論は、今後さらに加速いくことが予想される。この記事では副業を取り巻く環境の紹介をするとともに、企業にとって副業がどのようなメリットを与えるか検証したい。


副業をやりやすい環境が整いつつある

副業は国が推進しているだけでなく、テクノロジーの進化も後押ししている。かつては、副業といえばお店でアルバイトをするくらいが限界だったが、インターネットが普及したことにより、ヤフオクを始めとしたインターネットオークションやアフィリエイトなどが広まった。

また、最近ではクラウドソーシングの普及により、そこから個人で仕事を請け負うことも可能となっている。 インターネットが普及したことで、場所や時間の制約を受けず、副業を行える環境が整った。こうなると、副業はやろうと思えば誰でもできるものになっているのだ。


副業解禁は、企業にとってデメリットなのか?

このような状況で、企業にとっても副業を抑制することはすでに難しい状況にある。政府の方針がなくても、副業は自然と広まるのではないだろうか。では、企業にとって従業員が副業を行うことがデメリットになるのだろうか。ここは、意見が分かれるところだが、筆者はメリットの方が大きいのではないかと考える。その理由として、以下の3つが挙げられる。

1, 優秀な人材の確保
副業を解禁していることにより、優秀な人材を集めやすくなるメリットがある。優秀な人材であれば、社外からの各種プロジェクトやコンサルティングなどの依頼が入ってくる。そうなった場合、副業規定があると動きづらく、結果として企業を辞めることもある。また、グローバル化、IT化が進み、変化が激しい時代に、一つの会社で勤め上げるというのは現実的に難しいという考えも広まりつつある。そうした現状を踏まえると、優秀な人材がそもそも一つの会社に留まり続ける可能性は低いのではないだろうか。優秀な人材であればあるほど今後も流動性が高まり、フリーエージェント化することが予想される。

2, 従業員のスキルの高度化・多能化
副業を解禁することのメリットとして、従業員のスキル向上と多能化も挙げられる。本来であれば、会社が費用を負担して従業員に研修などを受けさせるものが、費用をかけずにスキルを身につけてもらうことができるのだ。企業に勤めていると、自分のスキルが世の中でどれだけ通用するものなのか分からなくなることがある。特に、ITの技術などは日進月歩で変化し、自分の価値を表す技術力について社会でどれだけの評価を受けるのか気になるところでもある。そういった際に、副業の存在が大きく役立つことがある。外部のプロジェクトや仕事を請けることで、自分の技術力の位置づけがよく分かるようになり、より専門性を身につけるべきか、もしくは他の技能を身につけるべきか判断することができる。このように従業員が自ら学び、スキルの向上あるいは新たに身につけることで、会社の業務への貢献が期待される。

3, 社外へのコネクション
3つ目のメリットは、社外とのコネクションができることだ。これも、普段企業が費用をかけマーケティングや営業活動を行い、構築しているものだ。しかし、副業を行っている人が社外とのつながりを構築することにより、それが会社にも活かされる可能性も考えられる。これにより、企業は費用ゼロでネットワーキングが行えるのだ。副業が禁止されている場合、従業員は会社にとって有益なコネクションができても報告しないだろう。禁止されている副業をやっていると公表するようなもので、従業員にとってプラスに働かない。しかし、副業が解禁されていれば、本人も社外でできたコネクションを会社へ報告するモチベーションが生まれてくるだろう。


企業は副業にどう向き合えば良いのか!?

ここまで、副業を取り巻く環境と、それがもたらす企業のメリットを紹介してきた。このように、副業の存在は企業にとっても大きなメリットをもたらす可能性がある。しかし、こういった考えがまだまだ企業に浸透しているとは言い難い。日本経済新聞社と日経リサーチが2017年1月に公表した上場企業301社の意識調査の結果によると、「副業・兼業を禁止している」企業は70%に達し、その理由の約90%近くが「本業に支障をきたす」となっている。それだけに、副業が本格的に広めるためには、この企業の意識変化が不可欠だろう。「副業禁止」を設けている中、副業に取り組む社員はほとんど生まれず、最悪の場合優秀な人材は社外へ流出してしまう。

一方、クラウドソーシングサービスを展開しているランサーズの調査によると、会社で働きながら副業としてフリーランスを行う人は増加しているという。世の中の流れは確実に変化している。このまま増え続ければ、副業が当たり前になる時代がすぐにでも到来するかもしれない。企業も副業にネガティブな印象を持たず、前向きに向き合うのが得策ではないだろうか。


<参考・参照元>
「副業解禁」から見えてきた理想的な働き方/ロート製薬 吉野俊昭社長 (Forbes JAPAN)|Yahoo!ニュース
「生涯1社はありえない」副業に向かう大企業若手社員たち | BUSINESS INSIDER JAPAN
なぜ今、フリーランスが注目されるのか|NewsPicks
「副業容認」で働き方が変わる?|Infoseekニュース
「副業解禁」のホントの影響を考えた | INOUZTimes

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