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【インタビュー】IoT時代を支える高度IT人材育成で「攻めのIT」を(高度ITアーキテクト育成協議会 関谷勇司氏)

2017年6月、幕張メッセにて第24回のInterop Tokyoが開催された。3日間の会期中143,365名が来場し、各社はネットワーク・インフラストラクチャー技術、製品、またそれらを用いたソリューションサービスなどの展示を行った。
この会場の一角に、「ShowNet」というブースがあった。多くのサーバー・ネットワーク機器が立ち並び、最新鋭の技術の結晶とも言える近未来ネットワークが構築されている。これは、会期中、会場内のインフラを支える重要な役目を担っていた。この「ShowNet」は、一般公募でボランティアとして集まった約30名のSTM(ShowNet Team Member)と、NOC メンバーと呼ばれる30名のプロフェッショナルエンジニア、ならびにShowNet参加企業から集まったスペシャリストと呼ばれるエンジニア100名以上の、総勢200名によってInterop Tokyoのネットワーク構築と運用が行われていた。

こうした取り組みを経て、2017年8月、IoT時代を支える高度技術者の育成を目指し、一般社団法人高度ITアーキテクト育成協議会(以下、AITAC)が設立された。

AITAC は、国内外の社会人・学生を対象に、SDNやNFV等の技術・スキル習得のための育成カリキュラムの策定・提供、産学と連携した教育訓練の場の整備ならびに SDN/NFV 等の情報通信技術を利用した、次世代のインフラエンジニアリング技術に関する資格認定制度の整備を行う。

これらを通して、ネットワークとコンピューティング両方のスキル、仮想化や外部クラウドなどのソフトウェア資源を利活用できるスキルを所有し、IT インフラを運用・管理ができる人材を育成することを目的としている。

今回は、同協議会のカリキュラム委員会・委員長を務める関谷勇司氏(東京大学 情報基盤センター 准教授)に話を伺った。
AITACの中で、育成部門のカギとなる部門を担当されている。


守りのITではなく、攻めのITを

「日本のIT企業におけるITの課題は、ITを武器として使うことが上手でないということ。社内システムでデータを保持する、会計システムを使うなど、守りのIT投資はするのですが、ITを通じた新しいサービスを生み出すのは上手でないのだろうなと感じています。」(関谷氏)

この理由としては、ITの仕組みや技術が分かり、かつ、企業の事業内容やサービスを理解したうえで、ITを有効活用して、サービスを発展していくべき。と上層部に進言できるレベルの人材が不足していることが挙げられるそうだ。

一方で、アメリカの企業は、思いついたアイデアをすぐに具現化し、サービスに結び付けることができている。これは、IT技術者を自社で抱えているから、といえよう。
金融業を例にして数字を出すと、IT技術者の割合はアメリカと日本でかなりの差があると言われている。アメリカの銀行は全体の3割がエンジニアであるのに対し、日本の銀行では3.7%ほど、というデータがある。

日本で、ITを活用して何かをしよう、といった場合、外部のSIerなどに相談することが多い。相談すること自体は問題ないが、発注者と受注者の間に知識の差があり、対等に話せていないことが多いのではないか、と関谷氏は語る。
しかし、発注者がITのアーキテクトを理解した上で、専門の方にインプットができれば、さらに高レベルの話ができ、イノベーションが生み出せるのではないか、ということだ。


若い人材が実践的にインフラに触れる機会を

こうした課題を受け、幅広くITのアーキテクトを理解し、ITを活用できる人材を増やしていくことが必要だ。
AITACでは、日本のITの発展・底上げのため、冒頭で述べたInterop TokyoのShowNetの構築といった実践的な場づくりを行っている。
Interop Tokyoのボランティアメンバーの応募数は倍率にすると5倍。それも年々増えているそうだ。

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