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プログラミング教育が始動!子供たちの未来に起きる変化とは

2020 年度から順次開始される新しい学習指導要領について、プログラミング教育の必修化などの見直しを行うことが日本経済再生本部の「日本再興戦略 2016」において発表された。プログラミングの必修化が求められる背景、そして物心が付いたときからコンピュータを理解する“デジタルネイティブ世代”を。プログラミングを教養として学ぶことで未来はどう変わるかについて考えてみたい。


プログラミング必修化の背景

引用元:Veselin Borishev / Shutterstock.com

すでに2012年から、中学校では技術家庭科でプログラムによる計測・制御を学ぶことが必修となっている。コンピュータなくしてはならない現代社会において、さらに幼い世代からプログラミングを学ばせることに測り知れない意義があるという政府の判断の下、小学校における必修化の運びとなった。

また現在、高校では「情報」においてプログラミングの授業が行われているが、「情報」は選択科目であるため、実際に高校でプログラミングを学んでいる学生は全体の約2割に過ぎない。すでに訪れているコンピュータ時代に対応するためにも、プログラミング学習の必修化が求められているのだ。


小学校のプログラミング授業

では、デジタルネイティブ世代となる小学生には、どのようなプログラミングの授業が提供されるのだろうか。

小学校ではパッケージを利用した学習がメイン
一般的にプログラミングと言うと、文字や数字、記号によるプログラム言語を用いてプログラムを作り上げることを指す。だが、小学校の教育課程ではそのような「1から作り上げるプログラミング」を教える予定はされていない。すでに作成されたパッケージを用いて、キャラクターを動かしたり、背景の色や構成を変更したり、簡単な計算プログラムを作成したりすることがメインとなりそうである。

このようなパッケージを用いることで、プログラムを作成するために必要な3つの概念(条件と結果の1対1対応、処理の順番付け、繰り返し試行)を学んでいくのだ。もちろん、最終的には、個人差は想定されるもののパッケージ内でオリジナルのプログラムを作成できるようになる。

与えられたツールを用いて新しいプログラムを生みだすこと。これが、小学校におけるプログラミング授業の目指す終着点といえるだろう。


プログラミング授業で子供たちの未来はどう変わる?

プログラミング授業が小学校教育において必修化することで、未来はどのように変わると予想できるだろうか?

作業の応用性が拡大する
プログラミングを幼いころから学ぶことで、プログラミングに必須の考え方、つまり、処理の順番づけや1対1対応、繰り返し試行などが当然の概念として身に着くことになる。コンピュータを用いた作業をする場合はもちろん、それ以外の作業をするときも、プログラミングで培った概念が自然に発揮され、作業の応用性と個々の表現力の拡大が予想される。

会社における事務対応がスムーズになる
社会人デビューする若者たちの間で、ブラインドタッチができない人が増えているという。インターネットをまったく使用しない人はゼロに近付いているものの、多くの人がパソコンではなくスマートフォンでインターネットを利用するため、スマートフォンなら瞬時にメッセージを送ることができてもパソコンで同様の作業をするとなると手間取ってしまう人が増えているのだ。

そのため、かなりの数の企業が、新人教育の一環としてブラインドタッチを含めたパソコンの基礎教育を実施している。当然のことであるが、このような教育を実施することで本業に遅れが出ることは避けられないといえるだろう。プログラミング授業を少年期から実施することで、スマートフォンだけでなくパソコンも日常ツールとして使いこなすことができれば、事務対応がスムーズになるだけでなく、新人教育に費やす時間も削減できるはずだ。

選択可能な職種が広がる
求人欄に必要なスキルとして「パソコンを扱えること」と書かれていることがあるが、パソコンを皆が当たり前に扱えるようになるなら、このような条件はわざわざ提示されないようになると考えられる。つまり、義務教育にプログラミングが含有されることは、すべての人にとって選択可能な職種が広がることにもつながるといえるのだ。

将来的にプログラミングの素養が必要とされる職業は増えると予想される。また、プログラミングに関わる人間の数も増えていくだろう。だが、皆がプログラミングに関わって生きていくわけではない。プログラミングを学んだ後で、自分には合わないと思えば他の分野に進めば良いし、自分に合っていると思えばプログラミングやそれに関わる分野に進めば良いわけだ。

コンピュータと無縁な人が減る
コンピュータ教室などの限られた空間ではなく全国のすべての小学校において子供たちにプログラミング授業を実施するためには、それを教える教員が必要になる。小学校教諭がコンピュータやプログラミングについて学ばなくてはならないのと同様、家庭学習を支えるために子供たちの親もある程度は知っておく必要があるだろう。

また、学校の授業についていけない子供たちや学校の授業以上のレベルの学習を求める子供たちのために、今以上にプログラミング教室の需要が高まると予想される。コンピュータを学ぶ人や教える人の数は必然的に増え、コンピュータと無縁な人はさらに減っていくだろう。


<参考・参照元>
日本経済再生本部
日本再興戦略 2016―第4次産業革命に向けて―
2020年小学校プログラミング必修化 どう準備するか / 一般社団法人みんなのコード 利根川裕太
未来の学びコンソーシアム | ニーズに応じた教材開発及び学校支援
中学の技術・家庭科で「ビジュアルプログラミング」を導入 :日本経済新聞
新連載・意外と知らない教育現場のいま:小学校のプログラミング必修化は本当に必要か (1/3) - ITmedia ビジネスオンライン
プログラミング教育実践ガイド|学校教育分野|教育の情報化

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