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VRとARが百貨店の苦境を救う!新たな顧客体験が生き残りの切り札に。

皆さんは、最近デパートに足を運んだのはいつか覚えているだろうか。ひょっとすると、最近行っていないという方も多いのではないだろうか。AmazonZOZO TOWN などのECサイトが伸長する中、既存の百貨店は大きな転換期を迎えている。百貨店はこのまま衰退し、過去のものとなってしまうのだろうか。


VRは、百貨店の救世主になるのか !?

近年、ネット通販の売り上げが伸びる中で、百貨店の売り上げ減が続いている。全国百貨店売上は、ピーク時の1991年の約9兆7130億円から2016年の5兆9780億円まで減少している。特に、今年はインバウンドの特需が終わり、その苦戦ぶりはより一層鮮明になっている。百貨店が苦境に陥った原因として、商習慣の問題やEC化が遅れたことなどさまざまな理由が挙げられている。
確かに、ちょっとした買い物であれば、AmazonやZOZOTOWNなどで済んでしまう。しかも、翌日には製品が手に入ってしまうことを考えると利便性も十分だ。そうした現代において、百貨店は生き残ることができないのだろうか。百貨店で今後必要になるのは、百貨店でしか経験できない「顧客体験」ではないだろうか。品揃えという点では、ECサイトに勝てない。
しかし、百貨店という物理空間をうまく活用することで、そのバリューを引き上げることができるのではないだろうか。小売業という枠組みで見ると、その顧客体験を充実させようという動きがある。それが、VRやARの活用だ。すでにその動きは始まっており、アメリカのウォルマートはその技術を積極的に活用しようとしている。


巨人・ウォルマートがVR企業を買収

ウォルマートは、技術系ベンチャーの立ち上げ支援事業として「Store No. 8」を立ち上げている。このStore No. 8 は、自動運転やAIなどの他にVR/ARも支援対象として含まれている。ウォルマートがVRを支援する場合、EC販売のテコ入れが目的になるだろうという見方がなされている。
しかし、ウォルマートは、実店舗を有している。この店舗のテコ入れでVRやARを活用するのも一つの手になるだろう。特に、ARを活用することで、アイトラッキングから消費者が注目している製品を判断し、その製品の情報を届けることもできる。このように、テック系企業への投資を通じて、ウォルマートも変化しようとしている。


インテリアショップでも、VR活用の動きが!

また、インテリアショップでも、VRをより積極的に活用しようという動きがある。例えば、全国に80店舗を展開している「Francfranc(フランフラン)」は、リニューアルした大阪・梅田店でVRを用いて「VRコーディネートサービス」を展開している。
家具選びをする際に、悩ましいのが部屋に置いた時の雰囲気だ。店舗の展示スペースに置いてあるのと、部屋に置くのではどうしても違いが生じてしまう。このようなことがないよう、フランフランでは店舗にHTC製のヘッドマウントディスプレイを用意。これを装着すると、画面にあらかじめモデリングされている3D CAD データの部屋が広がる。そこに、選定対象の家具を置いて、その中を歩いたりして雰囲気を知ることができる。
このVRを活用したサービスは、東京・青山店などの旗艦店を中心に順次導入される予定だ。


 VRやARの活用が、百貨店生き残りの切り札に!

このように、小売業やインテリアショップでは、すでにVRを積極的に活用しようという動きがある。これを、百貨店にも応用することはできないのか?個人的には、それは十分可能ではないかと思う。
VRを用いて、ファッション売り場の製品を組み合わせて、自分に似合うかどうかコーディネートを試したり、販売されている製品情報や製造過程をVRで鑑賞したり、顧客、一人ひとりに合わせて、ARを用いた百貨店内部のツアーを組むなど施策はいろいろとあるだろう。製品を売るという発想から、百貨店で経験できる顧客体験も売りにして、最終的に製品の販売につなげる方向へ切り替えてみるのも面白いのではないだろうか。
さらに、百貨店は、都心の一等地に店舗を構えているケースが多い。立地という点で、他の企業にはない強みを有しているのも事実だ。「面白いことが体験できる」となれば、人が集まりやすい環境にあるというのは見逃せないポイントだ。
百貨店の源流をたどると、江戸時代の呉服屋・三越に行き着くという。当時は、顧客の要望を聞き、それに見合うものを持ってくるという「座売り」が当たり前だったが、これを製品陳列し顧客に選んでもらうという「陳列販売」に変えたのだ。現代では当たり前となっているが、当時は画期的な販売方法だった。また、屋上に遊園地を作り、顧客に対して「ものを購入できる」以外の価値を提供するなど、百貨店はイノベーターの象徴のような存在でもあった。そのDNAが残っていれば、VRやARを活用して、集客につなげることは十分に可能と言えるだろう。
百貨店不振の理由に、「消費仕入れ」などの商習慣を挙げる識者も多いが、それよりも百貨店を消費者がワクワクするような空間に変えていく方が解決には効果的ではないだろうか。そして、そのためには、「モノ売り」から「コト売り」へ、発想を大きく転換して、新たな顧客体験を生み出すことが必要なのではないだろうか。

今後の百貨店のイノベーションに、期待したいところだ。


<参考・参照元>
百貨店売上高36年ぶり6兆円割れ 16年、衣料品が不振|日本経済新聞 
動き始めた小売業の巨人 ウォルマート、VRショッピングなどの起業支援へ | Mogura VR - 国内外のVR最新情報
インテリアのフランフランが大阪・梅田店にVRを導入 家具を自由に配置できるぞ! : J-CASTトレンド
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