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テンセントも出資したMobikeが日本上陸。自転車シェアリングは日本の交通に何をもたらすのか?

シェアエコノミーの流れは、私たちが普段使う自転車にまで及んでいる。そのなかで、中国初のメガベンチャー・Mobike が、2017年8月に札幌でサービスを開始した。サービスインしてから、わずか1年で世界展開を行うまでに成長した背景には何があるのか?そして、自転車シェアリングに死角はないのか?


中国で急速に普及が進むMobike

「カーシェア」、「シェアハウス」の次は「自転車シェアリング」が話題を呼ぶかもしれない。その自転車シェアリング世界最大手「Mobike」が、ついに日本に上陸する。2017年8月23日、同社の日本法人となるモバイク・ジャパン株式会社が、北海道札幌市にてサービスの提供を開始した。日本での展開はこれが初めてである。

また、同社はシェアエコノミーの分野でも、大きな注目を集めている中国発の企業だ。Mobike の自転車シェアリングは2016年4月に上海市でローンチしたのを皮切りに、中国をはじめシンガポールやイギリス・マンチェスターなどへ展開され、100以上の都市で導入されている。1日の利用回数はピーク時でなんと2,500万回、登録利用者数は1億人以上で、運用されている自転車の台数も500万台を超えるという。また、VCからも大きな注目を集めており、2017年6月には中国IT大手のテンセントなどから6億ドルもの資金を調達した。まさに、急成長中のシェアリングサービスだと言える。


Mobikeの何が凄いのか!?

Mobikeのすごいところは、最新のテクノロジーを活用した先進企業という点だ。具体的にビッグデータAIを使って、利用者の利便性向上を目指しており、これは各国展開が進む要因にもなっているのだ。そして、この評価額1,000億円超のMobikeが満を持して日本でローンチする。

ちなみに、彼らは日本市場をどうみているのか?予想ではあるが、いきなり利益化ができる市場とは捉えていないだろう。人口が13億人を超える中国は、日本よりずっとデジタル化が進んでいる。そして、ひとつのサービスがヒットすればたちまち数百万人級になるのだ。加えて、ユーザーの移動データも大量に収集できるため、サービスの改善サイクルも早い。このように、中国のモバイルを中心としたテクノロジーやビジネスの進化は日本を凌駕している。

ビジネス化という側面で、中国が本場になった自転車シェアリング。中国国内においては2017年春時点で20社以上が誕生しており、そのなかでもMobikeはこの分野のトップカンパニーのひとつだ。そして、驚くべきは彼らのビジネスがサービス開始して、わずか1年しか経っていないことである。日本企業のスピード感では考えられない1年という短い期間で、評価額1,000億円の企業を誕生させたのだ。このスピード感こそ、中国ベンチャーやユニコーン企業の凄さであり、特徴でもある。


なぜ、札幌をスタートにしたのか?

そのMobikeが選んだのは、日本の地方中核都市・札幌だ。彼らは、なぜ札幌を最初のサービスインの場所として選んだのか。これについてモバイク・ジャパンの広報担当者は、「Mobikeは日本各地の自治体や民間企業と話し合いを進めていて、最初に準備が整ったのが札幌」とコメントしている。確かに、今回ローンチした札幌市の状況を見る限り、Mobikeへの協力体制の手厚さがうかがえる。現にコンビニエンスストアチェーンのセイコーマートを運営する株式会社セコマ、ドラッグストア事業を行う株式会社サッポロドラッグストアー、北海道のお土産でお馴染み・洋菓子「白い恋人」などを製造する石屋製菓株式会社、ビル・不動産管理の株式会社藤井ビルなどの地域民間企業と協力し、Mobike専用の駐輪スペースを設置する予定だという。北海道・札幌を代表する企業がこれだけ体制を組んでバックアップするのは、Mobikeに対する期待の高さに他ならない。加えて、札幌には多くの中国人観光客も訪れており、彼らが自国で有名なMobikeを利用できると知れば、さらに多くの中国人観光客を呼び寄せることができるだろう。Mobikeの展開には、このような狙いも含まれているのではないか。

また、サービスで利用される自転車本体は約4年間メンテナンスフリーで、壊れにくく、頑丈な作りが特徴だ。具体的には軽量なアルミ合金製フレーム、空気を必要としないエアレスタイヤ、ドライブシャフトや変則システムなどを採用している。そして、すべての自転車にGPS通信用のモジュールを搭載。これは空き自転車の位置を専用アプリで検索したり、リアルタイムで把握したりするためだ。利用の際は、自転車についているQRコードを読み取り、専用アプリで鍵を解除する。返却は自転車に鍵をかけ、目的地の駐輪スペースに停めるだけで良い。なお、支払い手続きは全て専用アプリを通しての決済となる。今後の動きとしては、札幌市で2017年10月5日~15日に開催されるクリエイティブコンベンション「No Maps 2017」において、実証実験を行う。ここで収集したデータは、札幌市、一般財団法人さっぽろ産業振興財団、No Maps実行委員会が「札幌市ICT活用プラットフォーム」へ提供し、今後の都市計画や観光事業に活かしていくそうだ。


自転車シェアリング、今後の課題は?

今回、札幌で展開を開始したMobike。今後は札幌以外の都市でもサービス展開を予定している。ちなみに現在、国内の自転車シェアリング分野において勢いを見せているのが、都内を中心にサービス展開するドコモの「ドコモ・バイクシェア」だ。日本勢とMobike で競争が繰り広げられる日も訪れるかもしれない。

自転車シェアリングは、手軽に利用できるメリットがある一方、もちろん課題も残されているのだ。そのひとつが、自転車の移動である。特に、通勤時はオフィス街周辺に自転車が多く集まるようになる。これらの自転車は、現在トラックで他の場所へ移動させているそうだ。このように、自転車の運用面はまだまだ効率化されていないのが実情である。そして、都市部においては自転車の置き場所についても、問題として挙げられる。土地が限られているため、自転車をどこに置くかサービス提供者は頭を悩ませていることだろう。また、今後は行政などの支援によって、自転車シェアリングに関わる条例ができるかもしれない。そうなったときに、自転車シェアリングサービスはさらなる展開が進むのではないだろうか。


<参考・参照元>
Mobike
北京発のシェアリング自転車「Mobike」――日本での初ローンチ都市は札幌|TechCrunch Japan
完全解説:中国発シェア自転車「モバイク(Mobike)」のすごさとは何か?|BUSINESS INSIDER JAPAN
シェアリングエコノミー最前線!「Mobike」の戦略を徹底分析|Goodpatch Blog
自転車シェアサービス「Mobike」が日本上陸、札幌でサービス開始、人流データ活用で地域の課題を解決 |INTERNET Watch
トップページ|株式会社ドコモ・バイクシェア
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