SOLUTION

ソリューション

自動運転技術は車だけでなく車いすにも!衝突回避システムで安全性も高まる

自動車メーカーとIT企業は、自動車の安全機能を上げるために「自動運転事業計画」に力を注いでいる。同時に、自動運転における道路交通法の解釈に関する議論も進む。これは、「自動運転が標準化されれば人の不注意による事故が回避される」という考え方から来ている。しかし、自動運転は本当に事故を減らせるのだろうか。


高齢ドライバーのプライド

最近、車のTVCMを見ていると「自動ブレーキ」という言葉をよく聞く。一見、無事故に繋がりそうなイメージを持たせるこの言葉だが、実は「自動ブレーキ」が故の事故も多発しているのだ。実際に、前方の車に追突してしまったドライバーは「自動ブレーキ付きの車なので、ブレーキを踏まなかった」と話すこともあるという。自動ブレーキはあくまでアシスト機能なのだが、CMでの解説映像や「自動」という言葉のインパクトから生まれた「勘違い」の一例である。
勘違いや知識不足というのは誰にでもあることだが、高齢ドライバーには、そこに「判断能力の低下」も加わってしまう。交通事故全体件数は年々下降している中で、80歳以上のドライバーによる事故は増加している現状がある。しかし、免許を返納する高齢ドライバーの数は少ない。警察や自治体は返納者に対し、公共交通機関の運賃割引サービスなども提供しているが、成果が上がらない背景には生活を営む上での不便さとプライドが関わってきているのだろう。

地方に住む人にとって自動車移動は生活の一部だ。長年その地域に住んでいる人にとっては、現実問題として車が無ければ生活が成り立たず、免許を返納することは難しい。公共交通機関が通っていない地域では、自動車移動ができないとどのように必要なものを揃えていくか等の生活の手立てを考えなければいけなくなる。
そしてもう一つの問題は、高齢者のプライドだ。今まで普通に自動車を運転してきた高齢者は「自分は大丈夫」という過信が付いて回る。高齢になると判断力が低下することは分かっていても、心が付いて行かないのだ。自動運転に頼らなくても、自分の運転技術は衰えていないと豪語する高齢者の意識改革も必要だろう。


自動運転技術はどこまで進むのか

このような状況に対し、「自動運転を導入することによって、問題解決の道が開ける」との意見がある。自動運転は、ADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)とよばれ、人間の完全手動による運転をレベル0とした場合、人間の運転を主体にアシストが加わる場合をレベル1~3、システムが主体となる場合をレベル4~5というように、運転に関わる度合いに応じてレベル付けがされている。
各自動車メーカーは、主にレベル4~5を目指してADAS型自動運転の開発を行っている。
例を挙げると、「日産セレナ」では「同一車線・自動運転機能」、独ダイムラーでは「自動運転機能による車線変更」をメルセデスEクラスに搭載している。レベルは2に分類されている技術だが、ここまででも大きな進歩だろう。
そんな中、最初からレベル4以上の開発を進めている企業もある。完全自動運転型に分類されるシステム開発の代表例は米グーグル社だ。日本でも、DeNA社「ロボットタクシー」や、ソフトバンク社「SBドライブ」など積極的な開発を進めている。
それに伴い、日本では3年に渡り行動での実証事件が政府により予定されている。自動運転技術を構成する安全対策車が普及すれば、かなりの事故防止につながるはずだ。メディアは今後、オリンピックに絡め自動運転技術を取り上げていくだろう。どこまでの進歩が見られるのかとても楽しみだ。


高齢者や視覚障害の手助けに!

自動運転という観点から見ると、自動車だけでなく自動運転機能を搭載した電動車いすの開発にも注目したい。パナソニックは電動車いすメーカー「ウィル」と共同開発を行った、自動運転機能を持つ電動車いすシステムを2018年4月にも販売予定だ。こちらは専用アプリをダウンロードしたスマホを用いて、車いすを動かすシステムとなっている。空港や駅、大型施設などのエリア内にある看板にスマホをかざし目的地を告げると、自動走行で道案内をしてくれるのだ。
衝突回避システム」を搭載しているので混雑する場所でも人や障害物に接触することなく進め、更には「動く障害物」の動きを予測するために人工知能の導入も検討されている。このシステムが導入されれば、普段車いすが必要ない高齢者や障碍者でも安全に人込みを移動できるだろう。そして、海外から訪れる外国人観光客にも喜ばれるに違いない。
また、駅での使用も検討されている。今までの電動車いすによるホーム転落事故件数は年間180件前後も起きており、死者も出ている。そして、ホームドアが無い駅では他の乗客との接触事故が懸念されていた。しかし、この「衝突回避システム」を搭載した車いすなら、そうした事故も防ぐことが出来るだろう。
「車いす」というと体の不自由な人専用というイメージが頭をよぎるが、コンパクトな自動運転車として普及していくのではないだろうか。自動回収機能も備えているので、エリア内での移動は安全・便利に行われていくだろう。


課題は環境整備への取り組み

自動車の話に戻るが、現在実用化されている自動運転技術は、「アシスト」を前提としたレベル1~2までだ。自動車による事故抑止や事故防止を求めるとレベル4以上が望まれる。レベルが上がるほどシステムに依存する事柄が多くなるが、レベル4以上になると自動車の運転はほぼシステム主幹になる。そのため、レベルが大きくなるにつれ管理責任の所在が問題になるとされている。
2016年11月、東京海上日動火災保険が、自動運転中の事故を自動車保険の補償対象に加えると発表し、自動運転のための環境整備が徐々に実現している。今後は、法整備を進める一方で、高齢者自身の意識改革も進めていかなければならない。しかし、その未来が来た時には安全で安心でき、便利な世の中が待っているだろう。


<参考・参照元>
高齢者ドライバーの事故、自動運転で解決する? | THE PAGE(ザ・ページ)
「高齢課題先進国」の技術開発-「自動運転技術」が拓くモーダルシフト:研究員の眼
「自動運転社会」になっても、高齢者が幸せになるとは限らない
世界初! 車いすも「自動運転」 パナソニックが来年4月にも発売、東京五輪へバリアフリー(1/2ページ) - 産経WEST
自動ブレーキ誤説明→試乗車で追突 販売店員ら書類送検:朝日新聞デジタル
防ごう!高齢者の交通事故! 警視庁
他人事じゃない“高齢者ドライバーの事故”。親のプライドを傷つけず、運転を控えてもらう説得のコツ(1/2) - ハピママ*

あわせて読みたい記事!