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ポイントとマイナンバーが連動。国が構想する新たなポイント活用による地域活性化

マイナンバーが世の中で発行されるさまざまなポイントとひもづく。
こんな構想を政府が描いているという。民間企業や自治体で発行されるポイントが利用されることで、地域経済が活性化する可能性を秘めている。
この構想はどのようなものなのだろうか。その現状と、成功の鍵について考察したい。


政府が掲げるマイナンバーカードとポイント連動

日本でも普及がひと段落したマイナンバーカード。
今後、どのように活用されるのか気になるところだが、一つの案として民間企業ポイントカードや自治体が発行するポイント、地域通貨とひも付けて、合算できるようにしようという動きがある。そして、それを実現するために、ブロックチェーンの活用が検討されているという。
ここで、マイナンバー制度とはどのような目的で作られたか振り返ってみたいと思う。政府の情報では、以下のように示されている。

1.行政の効率化
2.国民の利便性の向上
3.公平・公正な社会の実現
引用元:マイナンバーとは | 特集-マイナンバー | 政府広報オンライン

つまり、社会保障・税・災害対策などの分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報を同一にまとめ、それらの確認や活用をしやすくするためのものだといえるだろう。
そもそもは、個人情報を確認できるようにすることで、行政サービスの拡充のための制度である。
しかし、民間企業のポイントとひも付けできるようになるということは、本来の枠組みを超えてマイナンバーが使われようとしている、ということだ。さまざまな意見があると思うが、これで、マイナンバーが有効活用されるのであれば、筆者としては歓迎すべきことではないかと思う。
実際、どのような形で、この構想が動いているのだろうか。


ポイントはどこで利用できるのか?

まず気になるのは、ポイントとは具体的にどのようなものが想定されているのかということだ。
現在のところ、民間では、日本航空や全日本空輸、NTTドコモ、クレジットカード会社の三井住友カード、JCBなどが候補に挙げられている。
施策としては、これらの企業が発行するポイントを、自治体が発行するものと合算し、地元の商店街やECサイトで名産品の購入ができるようにするというものだ。
これにより、これまで利用されていなかったポイントが地域経済活性化に活用されることが予想されている。

また、自治体もイベント参加などを通じて、住民にポイントを付与している。
たとえば、横浜市であれば、ウォーキングイベントに参加すると、参加者はポイントをもらうことができる。一定期間で基準となるポイントを集めた人は、抽選で商品券などの賞品が当たるチャンスが生まれる。同様の取り組みを埼玉県も行っている。

さらに、最近では、地域経済活性化のため「仮想通貨」が発行されるケースもある。
一例をあげると、岐阜県高山市に本社を置く飛騨信用組合が、電子通貨「さるぼぼコイン」を発行している。2017年5月からおよそ3か月間実証実験が行われたが、実用化できるめどがついたということで、2017年12月から実用化されることが発表されている。

このように、民間に限らず、ポイントや仮想通貨など商品と兌換性のあるものはさまざまなところで発行されている。
その中には、眠ったままになっているものもあり、それらが活用されるとなれば、地域経済にも良い影響が生まれるだろう。


鍵を握る技術は「ブロックチェーン」

今回の構想を実現するにあたって、鍵となると考えられるのがブロックチェーンだ。ブロックチェーンは、仮想通貨のコア技術であり、今後、さまざまな分野での活用が検討されている。
不動産管理、食品の製造プロセス、シェアリングサービス、スマートコントラクトなどで利用が進められようとしている。

ブロックチェーンは、セキュリティに優れ、改ざんされたり、システムダウンに至ったりするリスクが小さい。
また、複数サーバーで情報を分散管理できるため、データのバックアップも取られている。実運用するにあたり、自治体で稼働していないサーバーを利用すれば、イニシャルコストを抑えることも可能だ。

このブロックチェーン、政府も積極的に活用を進めようとしている。
経済産業省の資料によれば、文書管理、土地の登記、投票や婚姻・出産届けなどの業務で活用し、行政の効率化・高度化を図るとしている。

技術的な観点からすると、ブロックチェーンが国全体で活用できるとなれば、民間での利用もさらに加速するだろう。
契約書や文書など紙で管理せざるをえなかったものが、電子化されれば、社会全体のやり取りがスマートになる。


小売業へ与えるインパクトは?

日本では、サービスを受けることでさまざまな形でポイントが付与されるが、実際に活用されているものは一握りではないだろうか。
使われていないポイントを金額換算すれば、かなりの金額になることは想像に難くない。これが、流通されることで、小売、サービス業は大きな恩恵を受けるかもしれない。眠っていた埋蔵金が、世の中に解き放たれた時、地域経済の活性化につながっていくだろう。

また、政府としても、肝入りで始めたマイナンバーカードの有効活用をさらに進めたいはずだ。マイナンバーで地域経済が活性化したとなれば、政府としても理想のストーリーが描ける。

今後の鍵は、この構想を実現する際に、どれだけの民間企業から賛同が得られるか、そして国民に対して周知できるかが鍵になるだろう。特に、民間企業から協力が得られれば得られるほど、大きな効果が期待できる。
果たして、この構想は実現するのか、今後に期待したい。


<参考・参照元>
平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 - 商務情報政策局 情報経済課
マイナンバーでポイント活用、228自治体が参加 :日本経済新聞
仮想通貨活用に広がり マイナンバーのポイント管理に導入へ - SankeiBiz(サンケイビズ)
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