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キャッシュレス決済サービスがケニアで進化!日本はその潮流に乗ることができるのか

M-PESAというサービスをご存知だろうか。ケニアで普及が進んでいるキャッシュレスサービスで、年間5兆円が流通しており、Facebookの創業者・マークザッカーバーグも注目しているという。このように、世界ではキャッシュレス化の波が押し寄せている。
果たして、日本はこの流れに乗ることができるのだろうか。


アフリカ・ケニアで進むキャッシュレス化

アフリカ・ケニアでは、電気や水道、ガスがままならない農村部でも、キャッシュレス決済を行うことができる。
それは、携帯電話によって「M-PESA(エム・ペサ)」というサービスの利用が可能だからだ。

「M-PESA」とは、ケニアの電子マネーシステムだ。Mは、Mobile を表し、PESAはスワヒリ語でお金のことをいう。
M-PESAの特徴は、ケニア国内であれば、ほぼ全地域で利用できることである。デポジットも、各村にある代理店ですぐに行える。その代理店の数、10万店以上。日本のコンビニが約5万店ということを踏まえると、M-PESAの代理店の数がいかに多いかがわかる。
しかも、ケニアの人口は4,400万人ほどで、日本の人口の半分にも満たない。いかにM-PESA代理店が重宝されているかがわかる統計だろう。
日本人にとってのコンビニ以上に、ケニア国民にはM-PESA代理店が身近な存在となっている。もはやインフラの一つといっても良いだろう。

M-PESAは、ケニア国民の70%が利用しており、その流通量は年間5兆円以上。すでにケニアのGDPの40%以上は、M-PESAによって取引されているのではないかといわれている。
サービスは、フィーチャーフォン(日本ならガラケーに近い携帯)での利用が可能で、通話料や電気代、水道代、学費などの支払いから、預金機能や代理店で暗証番号などを入力すれば、現金の引き出しを行うことができる。

しかし、なぜケニアでこれほどまでキャッシュレス決済が普及したのだろうか。


なぜキャッシュレスサービスが進むのか

M-PESAが普及したのは、ケニアにおけるさまざまな事情がある。
まず、ケニア国民の中で、銀行口座を持っている人が非常に限られるという点だ。一部の富裕層を除いて、銀行に口座を開設することができず、農村部になると銀行の支店すらない。

日本人の感覚からすると信じられないかもしれないが、実際全世界の約20億人は銀行口座を持っていないといわれている。
そうなると、送金や支払いの手間が非常にかかる。
ケニアでは、都市部で働いて、農村部に住む家族に送金したいというニーズがある。しかし、銀行口座を使わず、実際に持って行くとなると、今度は治安の関係で強盗などのリスクに遭う可能性がある。

せっかく手元にあるお金をいかに保存するかも大きな問題だった。
治安が悪いため、家に置いておくのも難しい。壺などに入れて、庭に隠すなどの手段が取られているようだが、これだと水に濡れてダメになってしまうリスクもある。
このような点から、ケニアではお金のやり取りや保存に大きな課題を抱えていたのだ。

それを一気に解決したのが、M-PESAというわけだ。もちろん、M-PESAの普及には、携帯電話の普及が欠かせない。
ケニアでは、携帯を2台持ちしている人も多く、普及率は成人人口の100%を超えているといわれている。このように、アフリカ・ケニアでもキャッシュレス化が急速に進んでいる。


 中国、ヨーロッパ、世界のキャッシュレス事情

ケニア以外でもキャッシュレス化が大きく進んでいる地域がある。
特に、キャッシュレスが世界に先駆けて進んでいるのは中国だ。中国は、「Alipay」と「WeChatPay」の2強がキャッシュレス化を後押し。シェアトップといわれているAlipayは、1日の決済額が200億元を突破しており、取引決済件数は1億件以上。
都市部では、財布がなくても、スマートフォンがあれば生活ができてしまうくらい進んでいる。

また、ヨーロッパでも、キャッシュレス化は着々と進んでいる。
特に、スウェーデンでは、キャッシュレス率が98%。すでに、公共交通機関は、現金で乗ることができないくらいで、銀行も現金を置かないキャッシュレス店舗が増えている。スウェーデンでは、「Swish(スウィッシュ)」と呼ばれるモバイル決済アプリを、国内主要6行が共同開発。
これが、キャッシュレス化を後押ししているといわれている。キャッシュレス化は、日本人が想像している以上に大きく進んでいる。


日本のキャッシュレス化の現状と未来

日本では、キャッシュレス化がなかなか進んでいないのが現状だ。
日本の電子決済比率は2015年時点で18%と現金主義が色濃く残っている。この状況を、強盗に遭う可能性が低いこと、偽札などの製造が困難なことで、現金が正常に流通できる環境が保たれていると捉えることもできる。

しかし、時代や世界の流れは確実にキャッシュレスに向いている。特に、2020年の東京オリンピックまでに、対応を進めるのは不可欠だろう。
また、FinTechの主要分野の一つに決済が含まれている。日本が、FinTechでも遅れを取らないためにも、このキャッシュレス化を進める必要があるだろう。
逆に、日本の現金主義をひっくり返すくらいの決済サービスが誕生すれば、そのサービスは世界でも通用するかもしれない。
オリンピック前にそのようなサービスが生まれたら、非常に面白い。


<参考・参照元>
世界で加速する「キャッシュレス革命」 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
アフリカ・フィンテック最前線。ケニアの経済を変えた「M-PESA」の衝撃 | ライフハッカー[日本版]
LINE Payのモデルがケニアに!?ケニア人の生活を支えるモバイル送金サービス『M-PESA(エムペサ)』が面白い!
ケニアのモバイル送金サービスM-PESAが凄い!現金を持ち歩かない未来が来るかも | THINK FUTURE
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