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【インタビュー】「IoT」ということ自体が時代遅れになる(NTTドコモ・菊地大輔氏)

NTTドコモの菊地大輔氏は、「39Meister」というドコモ内事業の代表を務め、IoTプロダクト事業化支援サービスを展開している。

「IoTを推進したいが製作方法がわからない」という企業が多い、という仮説を立てていたが、それより多くの企業が困っているのは、モノ作りそのものに加え、「そもそも何を作ればいいのか?」だったという。

また、IoTはあらゆる分野でコモディティ化しており、「そろそろ、弊社もIoTだ!」と言って騒いでいるのは、もう時代遅れと指摘する。39Meisterの事業、そしてIoTの未来について、菊地大輔氏にお話を伺った。

NTTドコモにはない事業をゼロから創造する

──菊地さんが代表を務める「39Meister」とはどんなプロジェクトなのでしょうか?

39Meisterとは、プロダクトの製作を行うハタプロというベンチャー企業との共同事業です。

少し戻ってNTTドコモの仕組みを先にお話させて頂くと、NTTドコモの39階に私が所属するイノベーション統括部というのがあります。イノベーション統括部の社員は誰でも事業を立ち上げることが許されています。そのプロジェクトを「39works」といいます。
通常であれば 企業内で新規事業を立ち上げようとすると、収支計画や事業計画を作り、部内説明、関係各部への説明を行い、社内稟議で承認をもらって、はじめて着手ができます。しかし、39worksでは、そのような工程は総てスキップできます。同じフロアにいるCTOにピッチをして承認されれば、即事業を開始できるのです。

社内調整に時間を使うよりも、外部に出て真のお客様の課題を見つけ、それを事業のなかで、ときには新たなテクノロジーを導入して、またはパートナー企業と協力して解決して行くというアプローチなので、審議内容もそれに即したものになっています。
事業を起こす起案者は事業トップとなり、事業を遂行する上での決定に関する全権を得ることができます。そのため、課長や部長などの上司は、部下の事業が成功するための調整やアドバイスに徹することになります。

──面白いシステムですね。

イノベーション統括部は2014年からスタートしました。NTTドコモの名称でNTTドコモらしくない事業を目にしたことがあるなら、それは39worksが関わっている事業かもしれません。

──起案した事業に対して予算も下りる?

もちろん、予算もつきます。が、投資をしてもらう分、売り上げとして結果を出さなければなりません。それはKPIとして管理されます。そのため、事業を起こしたとしても結果が出ないものは打ち切られ、新陳代謝があります。
また、もうひとつのポイントは、最適なパートナー企業と組むことが求められていて、ドコモだけでは達成が困難な課題を二人三脚で解決します。
大切なのは、あくまでも社員が事業を考え、その事業を推進するためのパートナー企業を探すこと。アイディアや技術を持っている企業があるのでそこと組む、ではなく、自発的なアイディアがあることが重要となります。そのため、「自社にいいアイディアがある」という企業からのオファーは受けていません。

──では、起案する事業はどのようにして見つけるのですか?

通常、大手企業が新規事業のネタ探しをしようとすると、トレンドになっているキーワードや、話題になっているサービスを選定して、企画書を作り、計画定量的な市場データをもとに事業計画を立てるのが一般的だと思います。IoT関連のサービスの多くも、こういった流れで立ち上がっているように見えます。

一方、39worksでは、リーン型の手法を取り入れているため、実際の現場における課題を見つけることが最も重要となります。しかも、その課題はまだ世の中に出ていない、表面化されていない現場の課題であればあるほど、本当の新規事業となります。私自身も、実際に現場に行って、見たり、感じたりする経験から「これは大きな課題だ」と感じ、その解決策を探っていくことを重要視しています。

人生をかけているベンチャーを支援する

──そこから生まれたのが「39Meister」というわけですね。

そうです。私が起案者で、ハタプロがパートナー企業として、共同で事業を展開しています。
どういう事業を行っているのかというと、IoTプロダクトの事業化支援サービスです。IoTプロダクトの設計・製造をめざす企業を支援し、国内のモノづくり産業の活性化に貢献することが目的です。

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