SOLUTION

ソリューション

ICT活用により変わる学校教育、自治体は今何をすべきなのか先進事例に学ぶ

文科省が教育分野へのICT活用を推進するなか、自治体間での格差が深刻化している。

学校現場での現状・ネットワーク環境の整備・予算など、かかる問題は大きい。ICT環境の整備という教育への投資に見合った成果は望めるのか、都市と地方間の地域的格差はないのか、事例をもとに自治体の課題や推進計画について検証する。


進まない地方自治体のICT環境整備

ICTの必要性が日々高まっていく教育現場。しかし、日本のICT環境は世界的に見ても遅れているのが現状だ。1人1台を目指すというタブレット端末の普及も目標には程遠い。

ICTの導入にはステップがある。まず、電子黒板などの大型機材の設置。Wi-Fi環境の整備、デジタル教科書の導入。
これら、教員向けハードが揃うことで教職員が使いやすくなり、授業のICT化が進む。また、ハードが伴うことにより、教職員同士の情報交換が進み、教える側のスキルも向上する。教職員が授業に効率的にICTを取り入れることにより児童生徒もICTを活用する場面が増えるだろう。

環境整備の格差が懸念されるなか、いち早くICTの活用に取り組み、計画的に整備を進めていった自治体もある。
都市と地方の格差も懸念されているが、ICT導入に関する格差はそうしたものとは違うようだ。ICTを積極的に推進している地区には都市部も農村部もあった。

むしろ、普及の違いは自治体・教育委員会・学校の連携の良し悪しや地区にみる温度差の違いなのかもしれない。


事例1:茨城県つくば市の場合

茨城県つくば市は人口約23万人、小中・義務教育学校はあわせて51校という街だ。
40年前という最も早い段階でPCの活用をはじめ、以来さまざまな場面でICT活用に取り組んでいる。現在では、市内すべての学校にICTが普及している。
2016年7月、つくば市とつくば市教育委員会は教育クラウド「つくばチャレンジングスタディ」の運用を開始した。

2004年度から「つくばオンラインスタディ」の運用を開始し、小中学生の学習に取り組んできた実績があるつくば市だが、今回運用を開始したシステムは教育クラウドを利用し、家庭学習の支援、特別支援、貧困対策を主な目的とする。
1年から9年までの国数英理社の5科目の学習教材を用意、設問数は7万問。WindowsのみではなくiOS・Androidなどでも使用が可能なマルチデバイス対応だ。

もちろん、タブレットにも対応する。自分の実際の年齢にかかわらず、誰でもチャレンジしてみたい学年の興味ある教科を利用できる。個人の学習履歴を記録し理解状況を把握、合わせた教材の提供を行う。
活用場所も学校に留まらず、家庭はもちろんのこと、入院中の児童生徒、図書館など、様々な場所での利用を可能にした。

また、筑波大とインテルが共同で21世紀型スキルの育成のために「つくばスタイル科」という新教科を開発した。
これは、児童生徒が主体的に問題解決を行うよう考えられたもので、次のようなことを行う。

  1. デジカメやタブレットを活用した情報収集
  2. スタディノートを活用しまとめたり比較検討したりする
  3. テレビ会議や掲示板で他校や研究所・博物館などと連携する
  4. つくばオンラィンスタディやデジタルコンテンツでの学習
  5. 電子黒板やテレビ会議での話し合い

産学官連携されたICT活用の取り組みである。市内の全小中学校が「学校情報科優良校」に認定されたつくば市、全国のICTの先駆者としての取り組みは未来へと続いている。


事例2:熊本県山江村の場合

熊本県山江村は人口わずか3,600人ほどの小さな村だ。小学校が2校、中学校が1校、児童生徒合わせても400人に満たない。過疎化・少子化に悩まされている地域でもある。

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