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ソリューション

日立ソリューションズが提案するフィールド業務での「人手不足問題」の解決法とは?

日本企業を取り巻く国内の人手不足。特に、建設や設備保全、調査業務といったオフィスの外で行う「フィールド業務」では、この人手不足感がより強まっている。また、品質の維持のため、社員への教育や定着を促す仕組みを提供することも、以前よりも必要性が増してきている。

この課題に対して、Microsoft Azure と Microsoft Dynamics 365 for Field Service を活かした「フィールドサービス高度化ソリューション」を提案するのが株式会社日立ソリューションズだ。
Microsoft Azure と Microsoft Dynamics 365 for Field Service を活用することで、低コストかつ短納期でソリューションをクライアントへ提供できるという。

このフィールドサービス高度化ソリューションについて、担当エンジニアであるマニュファクチャリングイノベーション本部 カスタマーエンゲージメントソリューション部の江角忠士氏にお話しをうかがった。



危機に直面する日本のフィールドサービス

そもそも日立ソリューションズが考えるフィールドサービスとはどのようなものなのか。

江角氏はこのように説明する。「当社が考えるフィールドサービスは、工事などを行う施工現場など「作る現場」、設備などの保全を行う「守る現場」、現地調査を行う「取る現場」と定義しています。さらにいえば、小売業の店頭での業務などもフィールドサービスの現場として捉えることができるでしょう」

▲日立ソリューションズが考えるフィールドサービスのイメージ

フィールドサービスをこのように捉える日立ソリューションズ。江角氏は、フィールドサービス高度化ソリューションが求められる背景に「日本社会全体にある人手不足の問題がある」と指摘する。

「日本企業は、少子高齢化の影響もあり深刻な労働者不足に陥っています。特に、オフィスを離れて行うフィールドサービスにおいては深刻です。また、不足する労働者を補うために、多様な人材を雇用する必要もありますが、彼らがこれまでいた従業員と同じクオリティで業務を行なってくれるとは限りません。

一方で、製造業などグローバルでビジネスを展開する企業は過酷な競争にさらされています。海外企業に打ち勝っていくには、サービスの品質を維持・向上することが求められます。特に、現在の製造業はモノを売ることから、アフターサービスなどを含めたサービス提供型ビジネスへの転換を図っています。そのサービスの根幹を支えるフィールドサービスの人員不足や質の低下は避けねばなりません」

こうした問題を解決する手段として、テクノロジーを活用しようというのが日立ソリューションズの提案だ。


フィールドサービスに必要な業務を一気通貫で管理する

▲フィールドサービス高度化ソリューションの概念図

現在 PoC で検証が進められているフィールドサービス高度化ソリューション。江角氏はその特徴についてこう語る。

「このソリューションでは、フィールドサービスに必要な作業を一気通貫で管理することが可能になります。たとえば、製造業の設備保全を例にすると、設備に異常が発生した際に作業員が現地へ確認に行く必要があります。この時、設備が置いてある工場の近くにいる作業員をアサインできれば、より早く現場に到着することができます。フィールドサービス高度化ソリューションでは、位置情報などを用いて、現場に近くかつ、その作業に適した作業員をアサインすることが可能になります。また、現地の設備を作業員が確認している際に、モバイル機器やウェアラブルデバイスを用いてその様子を画像として転送することもできます。これにより、企業にいるベテラン作業員の支援を得ながら、作業を進めることが可能となり、技術力に不安がある作業員でも、こうして保全業務を行うことができるようになるのです」

▲現場から送信された画像への書き込みなども共有でき遠隔での指示が行いやすい

また、画像認識技術や文字認識、自然言語処理技術など、AI技術を活用してこのようなこともできるという。

「修理に必要な部品など、種類も豊富で経験のない作業員では見分けがつかないことがあります。こういったことも画像解析技術を用いることで、手元にある修理部品が間違っていないか確認することができます。具体的には、その部品の写真を撮影して、そこに記載されている型番などを文字認識技術とAIを活用して、Microsoft Dynamics 365 for Field Service に登録されている情報と照合します。また、お客様からの問い合わせも、AIの自然言語処理技術の進歩で自動応答やマニュアル検索の簡易化も実現できます」

さらに、フィールドサービス高度化ソリューションは、小売業でも活用できるという。

「小売店においても、棚割や商品情報の検索にも利用できます。商品情報は、OCR機能で商品番号などを読み取ればすぐに表示することができます。これにより、営業担当者の知識を補い、お客様に商品を紹介するといったことが可能になります」

また、フィールドサービス高度化ソリューションは、人の検知も得意とする。これにより、「小売店の混雑状況の把握などにも、活用できます。」と江角氏はその可能性について言及する。


Microsoft Azure と Microsoft Dynamics 365 for Field Service を使うからこそできること

フィールドサービス高度化ソリューションは、これまでのフィールドサービスに付随する問題を解決する手段として、さまざまな機能を用意している。しかし、このソリューションのメリットはこれだけではない。Microsoft Azure と Microsoft Dynamics 365 for Field Service を活用することで、従来のシステムに比べ、短納期かつ低コストで導入できるのだ。

「Microsoft Azure のモジュールの中には、Azure Cognitive Services があります。これらWEBサービス化されたツールを活用することで、画像認識や音声認識を、すぐに利用することができます。また、AIの活用では、学習させるのに時間がかかるのではないかと懸念されますが、それも必要最低限で済みます。たとえば、ある部品の判別を行えるよう学習させる場合、わずか10パターンほどの読み込ませることで判別ができるようになった事例もあります。Azure Cognitive Services により、フィールドサービス高度化ソリューションは、お客様のニーズを満たしつつ、できるだけ早くご活用いただけるよう素早くご提供できるようになったのです」

▲Microsoft Cognitive Services のうちの Custom Vision Service というサービスを使った人物画像認識機能。顔や体の画像を十数枚程度、学習させただけで人の顔や体を認識する。顔や体が何かで隠れていても認識でき、工場内の画像から人間を認識させることなども可能。

さらに、今後は Azure IoT との連携も視野に入れているという。江角氏は、「Azure IoTを活用することで、故障予知のところまで対応することが可能になります。これにより、フィールドサービス高度化ソリューションの適用範囲をさらに広げることができます」
と Microsoft Azure に対する期待を寄せる。


フィールドサービス高度化ソリューションを実現する日立ソリューションズの強み

Micosoft Azure をフルに活用して実装したフィールドサービス高度化ソリューション。これが実現できたのは、日立ソリューションズが持つノウハウも大きく影響している。

「もともと、アメリカにある日立ソリューションズのグループ会社がフィールドサービスを効率的に行えるサービスを展開していました。実際、パイプラインや、大型据え付け機器のメンテナンスなどで実績があります。さらに、日立グループが持つ製造業や小売業に対する知見も活きています」と江角氏は自社が持つ強みについて言及する。

フィールドサービス高度化ソリューションは、現在お客様と共同でプロジェクトを進めて課題を洗い出している。今後のソリューションの展望について、江角氏はこのように語ってくださった。

「現在、フィールドサービス高度化ソリューションをさまざまなお客様にご提案しておりますが、反応は上々です。特に、『働き方改革の一環として取り組みを進めませんか』とお伝えすると、経営層の方々はとても良い反応を示してくださいます。また、Microsoft Azure の機能をフルに活用して提供しますので、お客様によっては開発の期間が短く、驚かれたこともあります。今後、より多くのお客様にご利用いただけるよう活動を進めてまいります」

深刻な人手不足に陥る日本。一方で、それを解決すべくテクノロジーの活用は着実に進んでいる。将来、フィールドサービス高度化ソリューションが当たり前のように活用される未来が訪れても不思議ではない。

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