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AIをどう飛び越える? 人間自体を進化させる「脳」と「機械」の融合という手法

AI(人工知能)シンギュラリティに到達する前に、人間それ自体を進化させるための手法として、脳と機械を融合させる動きが活発になっている。この動きによって得られるメリットや可能性を考えてみた。


人間の脳とコンピュータを接続するとはどういうことか?

人間の脳をコンピュータに繋げる意味とはなにか?
まず、米国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)は以前から人間の脳とコンピュータを接続するための研究開発を行っている。前提として覚えておきたいのが、DARPAは米国の国防総省に基づく軍事に関する研究を行う機関であることだ。いわば、人間の脳を進化させるための研究開発であり、機械と人間との融合を果たすことが大きな主題となっていると考えて良いだろう。また、DARPAの元局長であるアラティ・プラバカー(Arati Prabhakar)が、Wiredのインタビューに答えた。記事中では、次のように記述されている。

“「新たな知覚を身につければ、新たな能力と機会を得られる。それは、新しい言語を学ぶことと根本的に異なるのだろうか?」引用元:機械共生時代へ──DARPA元局長A・プラバカー特別寄稿 | WIRED.jp

確かに人間の脳が知覚し、理解し進化するそのときに、機械との融合によるものか、もしくは新たな言語の取得かは散漫な問題であるといえるかもしれない。
私たちが自分たちの目(視覚野)を通じて「見ている」と認識し、知覚している内容は常に人間の脳というソフトウェアが処理している事実にすぎない。つまりは、人間の「脳」が見ている世界を私たちは見ているということだ。

DARPAの推し進めているNESD(Neural Engineering System Design)計画は、このような人間の脳とコンピュータを接続することで生じる新たな価値を見つけるための研究を行っている。


人間の脳とコンピュータの可能性とは?

今後、コンピュータを動かす重要なソフトウェアとなるのがAI(人工知能)であり、最終的にはNarrow AI(特化型AI)Artificial General Intelligence(汎用型AI)の先にある、Artificial Super Intelligence(人工超知能)が世界を大きく揺るがすことは十分に予見可能だ。

現在のAI(人工知能)と人間(生き物)の大きな違いとは、自ら考え、感じとり、行動することができるAIが存在していない点にある。AI(人工知能)は人間が与えた特定領域の問題を、圧倒的な機械学習によって解決に導くことは出来るが、与えられたこと以外に関してはほぼ能力を発揮できない。もちろん、その都度解くべき課題をAIに与えれば可能だが、自立的に存在していないゆえにある枠を飛び超えて自由に動くことはできないのだ。

だが、人工超知能にまで進化段階が進んでしまうと、自ら問題を発見し、定義し、解決する能力にまで到達してしまうだろう。そのときになった段階で、AIとの関係性をどう模索するのかを考える必要があり、ゆえに人間の脳とコンピュータの接続による関係性は、極めて重要な方向性だ。
なお、現在はAIの安全ガイドライン「アシロマ AI 23原則」も発表されており、少しずつだが、人間とAI、ひいてはコンピュータとの関係性を真剣に模索する時代が来ている。


人間が人工超知能と対峙する未来

Googleのレイ・カーツワイルは以前から2045年に到達した段階でシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると言及しており、近年の技術進歩の発展によって、その年月がさらに2025年に前倒しされていることは既にご存知の方も多いはずだ。
2025年に起きるとされるプレ・シンギュラリティの代表格といえば、トヨタ自動車などが率先して研究開発している完全自動走行システムに基づく、コネクティッドカーを市場に投入すると計画していることだろう。あわせて、今回に事例でいえば人間の脳とコンピュータを接続することや、さらに生物的に進化した未来を見出そうとしていることも挙げられる。

IoT(インターネットのモノ化)やToI(モノのインターネット化)と呼ばれるインターネットに存在する事象を現実世界のデバイスで表現する技術、例えばDroneを利用したSky Magicが代表的だ。さらにはIoTデバイスを通じて、IoA(Internet of Animal)と呼ばれる農場・牧場に存在する動物をインターネットと繋げ解析する動きも行われ始めている。

このように、AIのビジネス活用が叫ばれている。インターネットとモノは急速な勢いで結び付き始めており、いつのまにかインターネットとの関係性が身近になりすぎている側面が存在しているのだ。これらの進化の系譜のなかにおいて、人間とインターネットが結ばれるために、コンピュータと脳をつなぎ合わせる方向へと向くのは当然の帰結だ。また、それは得てしてシンギュラリティに到達したとき、AIに高度な知性体として敗北しないようにするのが目的でもある。

人工超知能のあらゆる知性を凌駕し始める前の段階として、今回のような人間の脳とコンピュータを接続し始めたことを考えると、今後の人間と機械との関係性について理解しやすいのではないか?そして、筆者としては人間の脳と機械の融合は、来るAIの圧倒的な問題解決能力に対するひとつの解決策になると考えている。


<参考・参照元>※リンク先一部英文記事
AI の安全ガイドライン「アシロマ AI 23原則」|東京海上研究所
機械共生時代へ──DARPA元局長A・プラバカー特別寄稿 | WIRED.jp
Internet of Animalsとは?クラウド x IoTで農業を革新するファームノート【K16-2B #4】|INDUSTRY CO-CREATION(ICC)
【ガチ】米軍最狂研究機関DARPAが「人間の脳を直接コンピューターに繋ぐ」NESD計画を発表! 目的は“超能力ソルジャー”の誕生!|TOCANA
US military reveals funding for 'Matrix' projects | Daily Mail Online

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