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VR普及のカギは“疑似恋愛”!? 恋愛ゲームや乙女ゲームで恋する時代

国内最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2016」(以下:TGS 2016)で、最も注目を集めたのはVRと言っていいだろう。そのなかでも女性向けの恋愛シミュレーションゲーム、通称“乙女ゲーム”のVR体験ブースは大盛況だった。男性向けのVR恋愛ゲームも大人気のいま、VR恋愛ゲーム市場はどうなっていくのか、現状や課題を含めて未来予想する。

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「東京ゲームショウ2016」で展示されたVR乙女ゲーム

はじめにTGS 2016で展示され、話題を呼んだ乙女ゲームのタイトルをいくつか紹介する。

・『刀剣乱舞-ONLINE-』
DMM GAMESはVR事業参入の第一歩として、女性ファンの多い刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』と共同で製作し、「DMM GAMES VR×刀剣乱舞-ONLINE- 三日月宗近Ver.体験会」を開催した。会場では同ゲームの人気キャラクター「三日月宗近(CV.鳥海浩輔)」が、近くまでやってくるというシチュエーションをVRで体験することができる。

・『イケメン戦国◆時をかける恋』
株式会社サイバードの累計会員数1,500万人(2016年時点)を誇る、人気の恋愛ゲーム「イケメンシリーズ」のひとつ。同シリーズの人気タイトルに登場するキャラクターのなかから、人気投票で1位を獲得した「織田信長(CV.杉田智和)」との甘いひとときをVRで体験することができる。

・『マジカルデイズ The Brats' Parade』
人気の魔法パズルアドベンチャーゲーム『マジカルデイズ The Brats' Parade』の世界観や、メインキャラクター「ノラ(CV.内田雄馬)」との密な触れ合いをVRで体験することができる。

これら3つに共通しているのは、人気キャラクターとのよりリアルな“触れ合い”が体験できるという点だろう。TGS 2016では今回紹介した作品のほかにも、さまざまな乙女ゲームのVR体験ブースが設けられ、大変な賑わいだったという。しかし、VRゲームソフトとしては盛り上がりに欠けているのだ。


VR乙女ゲーム市場の現状はなぜ盛り上がりに欠けている?

TGS 2016の体験ブースでは盛り上がりを見せていたVR乙女ゲームだが、それから1年経ってもPlayStation VR(以下:PSVR)等のゲームソフトとしての販売には至っていない。また、女性向けコンテンツのゲームアプリでも、VRに対応している作品はほとんどないのが現状だ。その要因としては、女性は男性に比べるとVRといったハイエンドな機械に疎くなりがちなことや、一般的に女性は男性と比べゲーム機器等に使用する金額が低いことが考えられる。

リクナビNEXTジャーナルが20代から30代の333名にゲームアプリの利用実態を調査した結果によると、全体の73%がゲームアプリを利用しているそうだ。また、利用者のうち「ゲームを課金して利用したことがある」と答えた人が33%、1タイトル当たりの平均課金額は男性で3,344円、女性で1,586円という結果が明らかとなっている。
近年のゲームアプリは、アプリ内課金はあるものの基本無料で楽しめる作品が多い。そのため 、わざわざお金をかけてまでVRゲームのソフトは買わないという、一般的な女性の心理がVR乙女ゲームビジネスの足かせになっているのかもしれない。


PSVRでも大人気!男性向けVR恋愛ゲーム市場は好調

一方で、男性向けのVR恋愛ゲームは非常に人気が高く、VRゲームのキラータイトルと言ってもいいだろう。ここではまず、PSVRで人気の男性向け恋愛ゲームを一部紹介する。

・『サマーレッスン』
PSVRのローンチタイトルのなかでも人気の作品で、ヒロインとのふれあいやコミュニケーションを楽しむ内容となっている。また、新しいコンテンツを随時リリースしており、今後の展開にファンからの期待が高まっているようだ。

・『360デート おさななじみ』
幼馴染との甘酸っぱい恋愛やデートが体験でき、ドラマ仕立てで製作された作品である。PSVRのなかで、このようなドラマ調のタイトルは非常に珍しく、注目を浴びている。


なぜ男性向けVR恋愛ゲーム市場は盛り上がっているのか?

VR恋愛ゲームは、女性向けのタイトルがほとんど販売されていない一方で、男性向けのタイトルは数も多く人気が高いことがわかる。これは先述したように、男性は女性と比べVRなどのハイエンド機器に詳しく、ゲーム機器等に金銭を支払うことにも抵抗が少ないと考えられるからだろう。

発売前から話題を呼んでいた男性向けアダルトVRゲームタイトルがある。それは、アダルトゲームの老舗メーカー「イリュージョン」が製作した「VRカノジョ」というVR専用ゲームだ。同社は、3DCGグラフィックを利用したゲームを数多くリリースしており、そのノウハウがVR分野でも活きて、同ゲームは非常に完成度が高いと評価されている。その内容もヒロインと恋人同士のようなコミュニケーションを取るのがメインだが、アダルト要素ももちろん高く、男性からの支持は熱いようだ。


“恋愛しない”若者たちがVRで“疑似恋愛する”時代になるかもしれない

ゲームアプリ市場の分析を行っているフラー株式会社が公表した調査結果では、乙女ゲームアプリの女性利用率が2013年と比較して大幅に増加していることがわかった。とくに50代以上の女性の利用率においては、2013年と比較しても19倍になるという。このように、乙女ゲームアプリを利用する女性が年々上がっていること等を鑑みると、VRに対する苦手意識もなくなるのではないか。そして、よりリアルに主人公や登場キャラクターと触れ合うことができるVR乙女ゲーム市場も、男性向けVR恋愛ゲーム市場と同様に盛り上がるのではないだろうか。

また、女性は男性に比べるとゲームアプリにかける金額が少ないという調査結果を紹介したが、実は1タイトルの最高課金額の平均を調査した結果では、男性が9,487円、女性が9,856円と男女の差はほとんど見られなかったのだ。この結果からわかるように、女性でも気に入った作品であれば、ある程度の金額を支払うことも厭わない。つまり、多くの女性がVRを自ら手にするようになる可能性も考えられるのだ。

近年は恋愛しない若者が増えているといわれている。そんななか、これまでのゲームにはない “胸キュン”体験ができるVRで、疑似恋愛する時代が訪れてしまうのかもしれない。


<参考・参照元>
男性は女性の●倍もゲームに課金!?ビジネスパーソンのスマホゲーム利用実態調査|リクナビNEXTジャーナル
50代以上の女性に乙女ゲームの利用者が急増。アプリデータ分析ツール「App Ape」で明らかに|Engadget 日本版
今だ、バーチャル空間へ飛び込め! アダルトから非アダルトまで!男性向けVRコンテンツはこれだっ!! | VR Inside
【TGS2016】乙女VRで甘いひとときを体験! 『イケメン戦国』や『ダンストリップス』等の人気恋愛ゲームのキャラクターに会える | Social VR Info – VR総合情報サイト

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