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ドローンは簡単に乗っ取れる!? 求められるセキュリティ対策とは

さまざまな領域での活用が期待されているドローン。国も新たなテクノロジーの一つとして位置付けており、今後規制の改定も進めるとしている。
一方で、ドローンは無線技術を使い操作するため、常にセキュリティのリスクがつきまとう。悪意のあるものにハッキングされるリスクも残されている。
ここでは、ドローンのセキュリティリスクとその対策について考えてみたい。


ドローンは簡単に乗っ取れる!衝撃の内容が発表される

かつて、軍事目的で利用されていたドローン。今では、一般人が気軽に購入して利用することができる(一部飛行制限区域を除く)。
ドローンを用いることで、これまでは撮影できなかった風景写真や動画が撮れたり、ドローンレーシングのようなアトラクションも登場したりしている。

また、ドローン産業の裾野は、今後さらに広がっていくと予想されており、私たちが思いもかけない利用の仕方も登場するかもしれない。
しかし、ドローンは良いところばかりではない。当然、リスクも存在する。
それが、セキュリティである。

ドローンは、コントローラーを通じて、無線によって制御される。この無線によるコントロールを、悪意のある者にハッキングされる可能性があるのだ。
ドローンで用いられる無線の方式は主に2つある。1つは、920MHz(特定小電力無線局)で、もう1つは2.4GHz(小電力データ通信システム)だ。
どちらの通信方式も、無防備ではないが、専門知識と機器があれば乗っ取ることができてしまうという。

今後、輸送など民間でさらに活用が進むことが予想されるドローンの通信方式をどうするかは、大きな議論となっている。
さらに、セキュリティソフトメーカー・カスペルスキーによると、セキュリティの専門家・ジョナサン・アンダーソン氏が、ドローンをわずか11ミリ秒で乗っ取るデバイスを開発したという。
このように、ドローンには、私たちが想像以上にセキュリティのリスクが内在しているのだ。


ドローン乗っ取りのリスクとは?

もし、ドローンが乗っ取られた場合、どのようなことが生じるだろうか。ここでは、3つのリスクを考えてみたい。

1つ目は、ドローンが悪意のある者によって、武器になるリスクだ。遠隔から乗っ取って操作しているため、誰が操作しているかもバレにくい。このため、テロまがいの行為が行われる可能性も否定できない。
2015年に首相官邸にドローンが落下したのは記憶に新しいが、このようなことが乗っ取りにより簡単にできてしまうのだ。
このような行為を狙う悪意のある者にとって、セキュリティが甘いドローンは、今後ターゲットとなるだろう。

2つ目は、盗難のリスクである。今後ドローンが輸送や配送で利用されるようになった際、ドローンが乗っ取られることで荷物が盗まれることも懸念される。
特に、配送しているものが高級品の場合は、その被害額も大きなものとなってしまう。ドローンを活用したいEコマースの企業や運送会社は、その対策に頭を悩ますことだろう。

3つ目は、ドローンで撮影している動画や写真が盗み見されてしまうリスクだ。
一般の人が楽しみのために撮影しているものならともかく、有名人が出演するプロモーション動画の映像が流出してしまうと、事前流出による被害だけでなく、その人がいつ・どこにいるかも特定されてしまう可能性がある。
このようなリスクも踏まえ、ドローンの扱いは慎重になる必要がある。


ドローンに求められる「セキュリティ対策」

セキュリティの脅威にさらされているドローンだが、その対策を行うことは可能なのだろうか。
現状は、ドローンに対応したセキュリティソリューションは販売されていない。通信規格の変更や暗号化など、利用環境の整備がどこまで進むかにかかっている。ドローンを安全に飛ばすため、ドローン向けの暗号化通信の研究、開発はNICT、AISTで進められているという。
実証実験では成功しており、標準装備されることが望ましいが、実現するための課題も残されている。

暗号化通信を実現するためには、従来よりも高性能なプロセッサの搭載が必要であり、それに伴い電力消費量も増える。
そのため、電力消費量増加に対応するため、バッテリーの重量増加が必要になる。ドローンの操作性の良さを維持するためには、数百グラムといえども重量化は避けたいところで、今後はこのトレードオフをどのように解決するかがキーポイントになりそうだ。
そういう意味では、バッテリーに大きなイノベーションが起これば、ドローンのセキュリティ対策が一気に解決するという見方もできる。
ドローン向けのバッテリー開発が今後加速するかもしれない。


ドローンブームがバブルにならないために

今後、社会を変える技術になると大きな期待が寄せられているドローン。
ここで取り上げた輸送やエンターテイメント以外に、災害支援などの用途でも活用できないかと検討されている。政府でもそれを後押ししようと、ドローンの長距離飛行に関して規定を改定しよういう動きがある。
これからドローンがさらに活用しやすい世の中になるだろう。

それだけに、このムーブメントが単なるバブルにならないようセキュリティ対策はあらゆる面で万全に行う必要があるだろう。
ドローンが原因で事故や被害が発生すると、この動きに水をさしかねない。せっかくの技術が、そのようなことにならないよう官民一体となって進めてもらいたい。


<参考・参照元>
IoT時代のセキュリティ③ ドローンのセキュリティとセーフティ~前編|これからのセキュリティを考える|コラム|ジャパンシステム株式会社
IoT時代のセキュリティ⑤ ドローンのセキュリティとセーフティ~後編|これからのセキュリティを考える|コラム|ジャパンシステム株式会社
ドローンの乗っ取り、11ミリ秒で完了 – カスペルスキー公式ブログ
ドローンで使用されている主な無線通信システム 資料6
首相官邸にドローン落下 けが人はなし :日本経済新聞
ドローン長距離飛行を推進 物流や災害活用 政府 規定改訂へ - 産経ニュース

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