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クラウド2.0は、クラウド上の膨大なデータをいかに生かすかが要となる

クラウドコンピューティングの普及が世界的に進むなか、クラウド2.0という新たなコンセプトが提唱され始めている。
クラウド2.0とは何か、従来のクラウドコンピューティングと何が違うのか、今後のクラウドコンピューティングはどうなるのか。クラウド2.0について知っておくべき基本的な情報をまとめた。


普及を続けるクラウドコンピューティング

現代はクラウドコンピューティングの時代といって差し支えないだろうが、コンピューティングリソースを複数のユーザーでシェアするというコンセプトは大分古くから存在していたそうだ。

1955年にジョン・マッカーシーという当時の著名なコンピューターサイエンティストが「タイムシェアリング理論」という、今日のクラウドコンピューティングと同様のコンセプトを提唱している。それから半世紀以上の時間をかけてコンピューティングの世界は様々な変貌を遂げ、今世紀に入ってからクラウドコンピューティングが本格化する時代を迎えた。

調査会社ガードナーによると、全世界のクラウドコンピューティング市場は2020年までに4,111億ドル(2018年5月9日現在日本円にして約45兆円)規模に達するという。ひとつの巨大なマーケットと化したクラウドコンピューティングだが、ここにきてクラウド2.0という新しいコンセプトを提唱する人が出て来た。クラウド2.0とは、一体どんなコンセプトなのだろうか。


クラウド2.0とは何か

クラウド2.0というコンセプトを提唱しているのはGoogleのクラウド事業担当副社長のダイアン・グリーン氏だ。
まず、クラウド1.0の時代は企業によるトライアルの時代だ。クラウドでアプリケーションやサービスを試し、データのストレージも試す。セキュリティと信頼性が担保されるのかもしっかりと試さねばならない。

一定の時間をかけ、企業のトライアルはある程度終了した。クラウドに対する不安はなくなり、信頼性は格段に増した。
必要に応じてパブリッククラウドとプライベートクラウドを使い分け、必要であればハイブリッドクラウドを活用する選択肢も得た。クラウドコンピューティングが企業にとっての「新たな日常」となった。

しかし、今日の企業はそれ以上のものを求め始めだした。彼らはクラウドにストアしたデータを使い、ビジネスに活用できないか考え始めたのだ。クラウド2.0の登場だ。


マシンラーニングとビッグデータ

「クラウド2.0とはデータであり、データを理解する事です」とグリーン氏は語る。
「企業はクラウドにデータをストアしていて、そこからビジネスを大転換するような武器を生み出せないか考えている。そこでクラウドとマシンラーニングを組み合わせ、マシンラーニングにそうした武器を生み出させるのです。」

「このクラウドにおける革命とは、規模の経済です。突如皆でデータを共有し、発想そのものを転換する。マシンラーニングは企業に驚くべき価値を提供します。これまでは得られなかった情報や知見を手に入れられます。クラウド2.0は、人々により多くの価値を生み出す事を可能にするのです。」

企業によるクラウドコンピューティングの利用が進み、利用する時間が長くなるほどクラウドにデータが蓄積される。
データレイクと呼ばれるようになった膨大なデータの湖に対し、マシンラーニングを投入する事で様々なファインディングスが見つかる。マシンラーニングにパターン学習や計算学習などをさせてアウトプットを自社の戦略に活用する。自社内にオンプレミスで設置したサーバーなどでは得られなかったアウトプットを得る事ができる。

これがクラウド2.0のコンセプトであり要諦だ。


クラウドコンピューティングの今後

Googleクラウドプラットフォームの担当者、グレッグ・デミッチリ氏も、マシンラーニングがクラウドの次の変革の波になると主張する。
「我々が言いたいのは、クラウドなしで膨大なデータを扱うのは不可能だということです。多くの企業は自力でマシンラーニングのインフラストラクチャーを構築できません。オンプレミスの環境では経済的に採算がとれないからです。」

コンサルタントのデネシュ・ギャネサン氏も言う。
「多くの企業はデータをどう扱って良いのか知識がありません。そこで彼らはGoogleに助けを求めるのです。最近の多くの企業はマシンラーニングがものすごく素晴らしいものらしいという認識を持ち始めています。また、Googleがマシンラーニングについて詳しそうだという認識も持っています。Googleは彼らに手をさしのべ、実際にマシンラーニングの恩恵を与えるべきです」

クラウドコンピューティングの世界では今後、マシンラーニングを含むAIが競争のカギとなるだろう。
クラウドにストアされた企業の膨大なデータをどのように活用し、どのようにビジネスに活かすのか。人間の力では生み出せないアウトプットを、AIを使ってどのように生み出すのか。Microsoft、Amazon、Googleといった、PaaS、IaaSを提供するメジャープレーヤー同士のし烈な戦いが始まるだろう。

今から10年前に現在のクラウドコンピューティングの様相が想像できなかったように、今から10年後のクラウドの様相もなかなか想像しにくい。ただ、AIがクラウドコンピューティングのゲームチェンジャーとなっていることはイメージできる。
その時の勝者が誰になるのか、クラウドコンピューティングのユーザーの一人としてしっかりとウォッチしてゆきたい。


<参考・参照元>
Google says welcome to the Cloud 2.0 | Computerworld
Cloud Computing History
Cloud Computing Market Projected To Reach $411B By 2020

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