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DaaSが日本でもいよいよ普及へ、そのメリットとデメリットとは?

クラウドコンピューティングが世界的な広がりを見せる中、データをサービスとして利用するDaaSがアメリカを中心に普及しつつある。
DaaSが普及する背後にはどのような環境的変化があるのか、DaaSのメリットやデメリットは何か、DaaSは今後どのように普及してゆくのか等々、DaaSについて知っておきたい事をまとめた。


DaaSとは何か

DaaSをご存知だろうか。DaasとはData as a Serviceの略で、直訳すると“サービスとしてのデータ”となる。クラウドコンピューティングが世界的に広がる中、アメリカでDaaSが注目を集め始めている。

米バージニア州にアーバンマッピングという会社がある。アーバンマッピングは全国の地図や地形データを集積し、ウェブサイトやアプリケーション用にオンデマンドで提供している。アプリケーションプロバイダーは自前で地形データを用意する必要がなく、必要なデータをアーバンマッピングから購入すればいい。

Xigniteという会社は株式取引などの市場情報を集積して経済誌などのウェブサイトへオンデマンドで提供している。
コンテンツプロバイダーは自前で情報を用意する必要がなく、必要な情報をXigniteから購入すればいい。DaaSとはつまり、何らかのデータを集積し、クラウドベースでユーザーへ提供するサービスだ。


DaaSが台頭してきた理由

DaaSが台頭してきた理由だが、何といってもSOA(Service Oriented Architecture)と呼ばれるコンピューティング環境が充実してきたことが挙げられるだろう。

SOAが充実してきた事でデータを特定のプラットフォームに蓄積する必要性がなくなり、逆にクラウドにデータをストアする優位性が生じて来た。上述したXigniteもシステムをAWS上に構築し、スケーラビリティとセキュリティを確保しているという。同社は毎月10億クライアントAPIコールを処理しているという。

クラウドコンピューティングが普及し、多くのアプリケーションがウェブベースで提供されるようになってきたことも理由のひとつだろう。
多くのDaaSベンダーが、アプリケーション開発者がすぐに使えるAPIなどを提供している。APIを利用する事で、データをベースにしたアプリケーションをスピーディーに開発できる。クラウドコンピューティングという世界で、データがオブジェクトとして利用できるようになったとイメージすれば良いかもしれない。


DaaSのメリット

ところで、DaaSのメリットは何だろうか。

まずは入手できるデータの量と質だろう。Xigniteは世界各国の証券市場、データベンダー、証券取引委員会や中央銀行などの公的機関のデータセンターなどからデータをリアルタイムで収集し、蓄積している。情報量は膨大で、情報の鮮度も高い。
一般の企業が同様の情報を入手し、維持するのは最初から困難だろう。

データのマネジメントにおいてもメリットがある。何よりも自らデータを管理する必要がなく、更新も必要ない。データが重複するリスクも少なく、ロストするリスクも少ない。
DaaSを利用する事でアプリケーションを簡単に作れるというメリットも大きい。

例えば経済情報サイトを立ち上げるといった場合、Xigniteが提供しているAPIを使えば市況情報などをリアルタイムで配信する事が可能になる。
また、オンプレミスでストレージを用意し、自前でデータを入手して管理するよりもコストが低いメリットもある。
データマネジメントのための人材も必要なく、設備投資も必要なく、さらには運用コストもかからない。基本的にはDaaSも他のaaSと同様、必要なものを必要な時に必要な分だけ利用できるというのが最大のメリットだろう。


DaaSのデメリット

一方でDaaSのデメリットはなんだろうか。まずはデータがベンダーに帰属する点だろう。
データのオーナーはあくまでもベンダーで、ユーザーはあくまでもデータのユーザーに過ぎない。最悪のケースではベンダーがデータの提供を拒否したり、サービスを停止したりするリスクもある。データの希少性が高い場合、問題になる可能性がある。

また、ユーザーが必要とする情報をベンダーが持っていない、持たないというリスクもある。
データは基本的にパブリックにオープンである事もデメリットになり得る。データがパブリックにオープンであることは、誰でも入手できるということだ。競合企業も入手可能で、場合によっては競争上の問題になる可能性もある。

DaaSのデメリットの最大のものは、データのマネジメントをベンダーが行うことだろう。データの信頼性や整合性の確保をベンダーに依存することは、色々な意味でリスクになり得る。
データが悪意に改ざんされた場合でも対応が困難だ。DaaSを利用するに際しては、ベンダー性善説を前提とするしかない。


それでも普及するDaaS

以上のようなメリット・デメリットがあるDaaSだが、筆者はそれでもDaaSは今後普及すると予想する。
特にStorage as a ServiceやSoftware as a Serviceの普及がさらに進むと予想される今後は、それらと連動する形でDaaSが普及してくるだろう。特に専門性が高いDaaSは、間違いなく日本でも普及してくると思う。

DaaSとは、とどのつまり何らかの情報を専門業者が入手して管理し、オンデマンドで提供するサービスだ。
情報の収集と管理を専門に行う「餅は餅屋」を地で行くものだが、今後は様々な分野で台頭してくることが考えられる。ニュースや天気予報といった一般的なデータに加え、業界や各種のテーマに関連した様々な情報を、オンデマンドで利用できる時代がまもなくやってくるだろう。


<参考・参照元>
Data As A Service: The Big Opportunity For Business
Data as a Service 101: The Basics and Why They Matter - DATAVERSITY

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