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“顔写真”が決め手のHR Tech『カオナビ』。働き方改革をネクストステージへアップデート!【代表インタビュー】


「HumanResouse(HR)」×「Technology」で人事領域の業務改善を推進するソリューション「HR Tech」が進化の一途をたどっている。なかでも、シンプルかつユニークなHR Techとして、近年注目が高まっているのが、人材情報をクラウド上で共有できるプラットフォーム『カオナビ』。2012年のリリースから6年あまり、働き方改革の追い風も受けて1,000社以上の導入を実現した。いま急拡大中の『カオナビ』の特長について、サービスの開発・運営を手掛ける株式会社カオナビの創業者で、代表取締役の柳橋仁機氏に聞く。

HR Techで人材マネジメントを変える! 人間の承認欲求に訴えかけることで離職も防止

『カオナビ』は、そのサービス名の通り、アイコンに社員の顔写真を据えて、人材情報を管理できるようにしたプラットフォームだ。社員の顔や名前、経験、評価、スキルなどの人材情報を一元管理して可視化することで、最適な人材配置やプロジェクトへの抜擢など、円滑な人材マネジメント業務を叶えるサポートツールである。極めてシンプルな管理システムだが、なぜ“顔”が必要だったのだろう。

「社員に最適な仕事を任せるうえで、経営サイドが社員のことを理解してしかるべき、というのは定説です。もちろん、メンバーのスキルや希望を理解することは大切ですが、何はともあれ大前提として顔と名前が一致していないとダメだろうと。最適な人材マネジメントをするうえで、本人の顔と名前が分からないのはあり得ないと思います。とはいえ、人数が多い会社だと対面機会も少なく、覚えきれないことも。そこで、顔写真を並べて管理できるシステムで人材マネジメントのあり方を変えたいと考えました」(柳橋仁機氏、以下同)


この管理手法は、脳科学的側面からも合理性があるという。

「以前、『カオナビ』について脳科学者の中野信子先生に助言を求めたところ、人間の脳構造は、顔をキーにして名前という属性を付けくわえるようにできているので、とても合理的な仕組みであると評価していただきました」

また、顔と名前の一致にもとづいてコミュニケーションをとることは、離職防止の観点からも、とても有益だそう。

「たとえば、普段から上司や社長から、『君』や『あなた』と呼ばれている場合と、具体的な名前の場合で比較すると、名前の方が承認欲求は満たされることが分かっています。極めてエモーショナルな部分への働きかけではありますが、離職防止につなげるためにも、顔と名前の一致はマネジメントに最低限必要な要素なのです」

事実、導入した企業からは「コミュニケーションが深まり、従業員満足度が向上して離職率が全国平均以下になった」と効果を実感する声も寄せられるという。

『カオナビ』は、人材にかかわる業務の効率化や生産性向上をサポートすることに特化している。給与計算や勤怠管理などの労務管理とは一線を画し、抜擢や評価などの人材マネジメント業務の支援に最適化したツールという立ち位置を貫く。そのため、人材マネジメントの省力化を追求したUIにこだわっている。


また、クラウドサービスとあって、オフィスの内外からパソコンやスマホ・タブレットで使えるので、マネジメント層がリモートワークを取り入れた場合でも支障をきたさない。さらに、人材の見える化で有能な社員を発掘する労力コストの省力化、紙やエクセルなどアナログ管理からのシフトによる情報の一元化にも対応している。

人材マネジメントにかけるパワーを最小限に留めることができれば、企業のイノベーションを加速させることにつながるはずだ。まさに、HR Techの文脈に則ったサービスだといえるだろう。

「働き方改革の文脈として、適材適所の人材配置ということを、企業のマネジメント層が義務感を持ってやるべきという意見を持っています。それがこの事業の目的でもあります」


『カオナビ』の導入で合理的な働き方を叶えてほしい

シンプルでありながら、人材マネジメントの根源的な課題を解決できるツールとあって、幅広い業態・業界から選ばれている『カオナビ』。日清食品や東京ガス、三菱地所ホームといった大企業から、サイバーエージェントやメルカリなど新進気鋭の企業まで、導入先企業の顔ぶれも多彩だ。

「顔写真を並べてマネジメントしましょうというコンセプトが評価されていると思います。また、利用する側のニーズによって、機能もフレキシブルにカスタマイズできるようにしているので、使い勝手の良さを感じていただけているのかもしれません」

とりわけ印象に残っている事例について、柳橋氏は次の企業を挙げる。

「たとえば、TOMORROWLAND様は、職種や役職と同列の扱いで身長情報を入力されています。というのも、背の高い男性向けや、身長が低い女性が着て可愛くみえる洋服など、体型に紐づいたブランドを展開しているので、それぞれのコンセプトを体現できるスタッフに店頭に立って欲しいと考えているんですね。そのため、身長も人材配置の要素に加えたいというニーズをもとに、情報をカスタマイズされています」

他にも、エンジニアを多く抱えるIT企業では、個々の人材データベースにプログラミング言語の習得状況も記入。特定の言語ができる社員を検索できるようにして、プロジェクトへのアサインを円滑にしているケースもあるそうだ。

また、カオナビ社も働き方改革に積極的だ。月ごとの所定労働時間からプラスマイナス20時間の幅を設けたり、副業OKだったり。その代わり……、というべきか、生産性向上に欠かせないロジカルシンキングが身に着いたメンバーが揃っている。この背景には、柳橋氏自身の働き方に対する合理的な思考がある。

「私自身が時間掛けて物事をじっくり進めるよりも、短時間で効率的に仕事を終わらせた方が良いという考え方の持ち主なんです。とにかく効率や合理性を追求したい。仕事は限られた時間でパッと終わらせて、残った時間は遊んだり飲みに行ったり、副業をしたりして仕事以外に注力した方が、人生豊かに生きられるんじゃないかと。メンバーには仕事以外の余暇も満喫してもらいたいので、仕事は限られた時間でサッと終わらせましょうという方針を徹底しています」

また、労働時間に依拠しない働き方は、これからの時代のビジネスに欠かせない要素だと分析する。

「人口減少待ったなしの日本において、マンパワーで勝負するビジネスには限界があります。たとえば、ヨーロッパは金融やITなど、労働力に依存しない産業にシフトして発展を叶えました。こうしたシフトチェンジは日本にも求められると考えています。たとえば、時短で働く育児中の女性が年収1000万円稼ぎだせるビジネスを考えなくてはいけない。その付加価値をどう見つけ出すのかが経営者の役割であり、それ以外にかかる労力はカオナビなどのツールを使って効率化した方がいいと思います」

HR Techは近い将来AIの実装で飛躍する

また、HR Techのいまと未来について、柳橋氏はこのように考察する。

「HR Techは、現在黎明期にあたると思います。かねてよりITメーカーの人事システムはありましたが、昨今HR Techが盛り上がっている背景には、クラウドサービスの普及があるのだろうと思います。カオナビ社の創業当時は、クラウド上に人事情報を置くなんて、怖くてできないという意見が多かった。しかし、数年ほどで世の中の仕組みが変わり、いまはクラウド上で人事情報を扱うことに不安を抱えているクライアントは、ほぼいません。現状、HR Techはクラウドで市民権を得られたということだと思います」

そして、これからはHR Techを提供する企業の“離合集散時代”に突入することが予想されるという。

「現在、クラウドで人材情報を管理するサービスは、多数あります。これからは離合集散により、サービスが淘汰されていくフェーズになっていくと思います。そこで勝ち残った企業は、ノウハウやデータが蓄積され、さらにAIやディープラーニングにより、付加価値型のサービスを提供できるようになる。AIが搭載されることで、評価や異動の履歴、“この仕事で結果を出しそうなのはこの人”というレコメンド機能など、ピープルアナリティクスが実装されるはずです。カオナビもそうしたテクノロジーを積極的に取り入れたいですね」

テクノロジーの進化で、人材マネジメントの負担を減らすことができる時代。これからはHR Techを駆使することと、企業競争力の向上はより密接に関わってくるだろう。

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